トルコからの難民申請者が増えている埼玉県川口市。そこで暮らすクルド人の方々の出身地について、興味深い調査結果が明らかになりました。なんと、その8割がトルコ南東部のわずか3県に集中し、さらにその中でも特定の村に多くの出身者がいることが判明したのです。この記事では、その背景を探りながら、彼らの故郷の様子を詳しくお伝えします。
経済的な理由が主な動機?
トルコの人口約8500万人のうち、クルド人は約1500万人。過去20年間で難民申請をしたトルコ国籍者の多くは、経済的に困窮しているクルド人だと考えられています。日本とトルコの間には短期滞在ビザの相互免除措置があるため、パスポートと航空券さえあれば来日し、難民申請によって滞在を継続することが可能なのです。
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入管関係者によると、平成25年から令和4年までの11年間で難民申請をしたトルコ国籍者のうち、出身地が判明した約4700人を対象に調査を実施。その結果、全体の約8割がトルコ南東部のガジアンテプ県、カフラマンマラシュ県、アドゥヤマン県の3県に集中していることがわかりました。これらの県はクルド人の居住地域として知られていますが、特に難民申請者の多い村がいくつか存在します。
現地村長や元出稼ぎ労働者の証言
アドゥヤマン県の西部にある村の村長(58歳)によると、村人約1180人のうち約100人が日本に滞在しているとのこと。「仕事を求めて日本へ行った。単純に経済的な理由だ。一人が行くと、親族や知人が彼を頼って日本へ行く」と語っています。
この村は、昨年2月のトルコ地震の被災地でもあり、多くの家屋が倒壊し、十数名の犠牲者が出たといいます。家を失い、日本へ避難した人もいましたが、現在は落ち着きを取り戻しつつあるとのことです。
また、日本で13年間働き、流暢な日本語を話すこの村出身の配管工の男性(47歳)は、「航空券代は約10万円。少し働けば買えるし、日本で稼げるから」と、経済的な理由を強調。さらに、川口市に在留するクルド人について、「難民というのは嘘。日本で働きたいだけ。お金が貯まったら村へ帰る。トルコで迫害なんて絶対にない」と証言しました。
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今後の課題
これらの証言からは、経済的な理由が難民申請の大きな動機となっていることが伺えます。「トルコで迫害を受けている」という主張の真偽についても、慎重な検証が必要となるでしょう。川口市におけるクルド人コミュニティの現状と、今後の課題について、引き続き注目していく必要があると言えるでしょう。