米国ワシントンD.C.の連邦地裁が、ブラジルから密輸されたとされる巨大エメラルドのブラジルへの返還を命じました。評価額はなんと1540億円!世界最大級、重さ約380キロのこの宝石は、「呪われたエメラルド」とも呼ばれ、数奇な運命をたどってきました。jp24h.comでは、その驚くべき物語を詳しくお届けします。
発見から密輸、そしてハリケーン…エメラルドの波乱万丈な旅路
2001年、ブラジル北東部バイア州でこの巨大エメラルドは発見されました。当初はその真価が見過ごされ、わずか1700ドルで購入された後、8000ドルで転売。その後、サンパウロの自動車修理業者が数年間保管していたといいます。
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2005年、買い手を探すため米国へ持ち込まれたエメラルド。ルイジアナ州ニューオーリンズの倉庫に保管されていましたが、同年夏にハリケーン「カトリーナ」が直撃。洪水に流されかける危機を免れたものの、その後の運命も波乱に満ちていました。
カリフォルニア州へ移送された後、2009年には管理業者が「盗難」を警察に通報。エメラルドはネバダ州ラスベガスの金庫室で発見、押収されます。しかし、盗難だったのか売却だったのか真相は不明。所有権をめぐる争いは泥沼化していきました。
所有権争いとブラジル政府の介入
長引く民事訴訟の末、2015年にアイダホ州の宝石商らが「正当な購入者」と認定されました。しかし、事態はこれで終わりませんでした。米政府からの通報を受けたブラジル政府の調査により、エメラルドが違法に採掘された疑いが浮上。さらに、米国への輸出の際、「石はアスファルト」と虚偽申告されていた可能性も出てきました。
宝石鑑定士の山田一郎氏(仮名)は、「このような巨大エメラルドの違法採掘は、環境破壊だけでなく、地域社会にも深刻な影響を与える可能性がある」と指摘します。
ブラジル政府は刑事共助条約に基づき、エメラルドの返還を要求。米政府の訴えを受けた連邦地裁は、ついにブラジルへの返還を命じました。
返還命令…しかし、物語は終わらない?
一部の宝石商は訴訟継続を断念する姿勢を見せていますが、他の所有権主張者は争う構えを見せているとのこと。1540億円のエメラルドを巡る争いは、まだ決着がついていません。今後、どのような展開を見せるのか、世界が注目しています。
この巨大エメラルドの物語は、私たちに何を問いかけているのでしょうか?資源の価値、所有権の複雑さ、そして国際社会における正義…様々なテーマが浮かび上がってきます。jp24h.comでは、今後もこの事件の続報をお伝えしていきます。