ドイツの政界が大きく揺れ動いています。国民の不満が既存政党からAfD(ドイツのための選択肢)や新興政党BSW(サラ・ヴァーゲンクネヒト同盟)へと流れ、選挙結果に波乱を巻き起こしているのです。一体何が起きているのでしょうか? 本記事では、ドイツ政界の現状、有権者の動向、そして今後の展望について詳しく解説します。
ドイツの民主主義は危機に瀕しているのか?
現在のドイツ国会では、AfDが提出した動議は、内容の如何に関わらず拒否される傾向にあります。「誰が言い出したか」が重視され、「動議の中身」は二の次になっているという現状に、疑問の声が上がっています。 一部では、これは民主主義の原則に反する行為だと批判されています。
ドイツ国会議事堂
AfDは“極右”というレッテルを貼られ、メディアからも攻撃の的となっています。しかし、こうした逆風にも関わらず、国民の支持は増え続けています。本当にAfDは極右政党なのでしょうか?
同じく、新興政党BSWも“極左”のレッテルを貼られ、既存政党から距離を置かれています。しかし、BSWは既存の政治を批判することで、一定の支持を集めています。
既存政党への不満がAfDとBSWへの支持に
2024年9月に行われた旧東独3州の州議会選挙では、AfDとBSWが躍進しました。ザクセン州では、CDU(キリスト教民主同盟)が第1党となりましたが、AfDが僅差で第2党につけました。第3党はBSWでした。
これらの結果は、有権者の既存政党への不満を如実に表しています。生活の改善が見込めないと感じている有権者が、既存政党を批判するAfDやBSWに期待を寄せているのです。
カツカレー
CDUはAfDとの連立を拒否し、社民党やBSWとの連立交渉を進めています。しかし、これではCDUが掲げる保守回帰は実現困難で、AfD支持者の声は無視されることになります。
コロナ対策検証をめぐる攻防
2024年10月25日、ザクセン州議会でAfDがコロナ禍の感染対策の検証を提案しました。しかし、CDUと社民党はこの提案に反対しました。一方、BSWはAfDの提案に賛成しました。この出来事は、各政党の立場を明確に示すものとなりました。
ドイツ政界の未来は?
ドイツ政界は大きな転換期を迎えています。有権者の不満が既存政党からAfDやBSWへと流れ、政治の力学が変化しています。今後のドイツ政界の動向に注目が集まります。