テレビ業界の構造変化が進む中、芸人たちのギャラにも大きな変動が起きている。ネット配信の台頭により、地上波テレビ局の制作費は減少傾向にあり、出演者へのギャラもその影響を受けている。今回は、FRIDAYが入手した人気MC芸人の最新ギャラリスト(2024年9月末時点)を基に、10年前との比較を交えながら、テレビ界の最新勢力図を紐解いていく。
ウッチャンナンチャンがトップ!優しさで視聴者を魅了
2024年のギャラランキングでトップに輝いたのは、ウッチャンナンチャン。内村光良氏と南原清隆氏、2人のコンビで同額1位を獲得した。近年のテレビ業界では、相手を傷つけるような笑いが敬遠される傾向にある。そんな中、ウッチャンナンチャンの温かく誰も傷つけない笑いが幅広い世代から支持を集めている。所属事務所の強気な交渉も功を奏しているだろうが、何よりも2人が安定して視聴率を獲得できる実力を持っていることが、高額ギャラの理由と言えるだろう。
ウッチャンナンチャン
コスパ重視の時代!千鳥、麒麟・川島ら中堅芸人が躍進
制作費削減が進む中、テレビ局は「コスパの良い」芸人を求めている。その代表格が千鳥だ。ノブ氏と大悟氏は、潜在視聴率8%超えの実力派でありながら、ギャラは100万円からと比較的リーズナブル。この価格設定が、制作費を抑えつつ豪華ゲストや若手芸人を多数起用できる番組作りを可能にしている。
同様に、麒麟の川島明氏も高視聴率を獲得しながらもギャラは抑えめ。これにより、『ラヴィット!』では多くの若手芸人を起用し、番組を盛り上げている。大御所では実現できない、新しい番組制作の形と言えるだろう。
YouTubeの影響力拡大!かまいたち、霜降り明星も人気急上昇
近年、YouTubeの登録者数も芸人の人気を測る指標となっている。かまいたち、霜降り明星は、共にYouTube登録者数200万人を超え、コアなファン層を獲得している。高い潜在視聴率とリーズナブルなギャラが両立していることから、テレビ局からの需要も高い。
人気芸人ギャラ比較ランキング
大御所の苦戦…時代の変化に対応できるかが鍵
一方、タモリ氏や明石家さんま氏といった大御所は、ギャラが減少傾向にある。70代になるとどうしても時代の感覚とのズレが生じやすく、視聴率獲得が難しくなる。また、舌禍事件のリスクも高まるため、起用しづらいという事情もあるようだ。
テレビ局は、コア層(13~49歳男女)の視聴率を重視する傾向が強まっている。浜田雅功氏や木梨憲武氏も、ギャラが高い割にコア層への訴求力が低いとされている。現場の若手スタッフからは、「ギャラを抑えた中堅芸人をMCに起用し、ゲストやセットに予算を回すべき」という声も上がっている。
まとめ:実力とコスパが求められる時代に
テレビ業界の制作費減少が続く中、コスパの良い、本当の実力を持つ芸人が求められている。潜在視聴率の高さとリーズナブルなギャラのバランス、そして時代の変化への対応力が、今後の芸人たちの活躍を左右するだろう。