こども家庭庁は、政府の総合経済対策に、今年度の保育士と幼稚園教諭の給与を前年度に比べ、10.7パーセント引き上げる処遇改善策を盛り込みました。
三原こども政策担当大臣は、22日閣議決定された総合経済対策に、保育士と幼稚園教諭の給与を10.7パーセント引き上げる処遇改善策を盛り込んだと発表しました。
昨年度の引き上げ率(5.2パーセント)のおよそ2倍で、比較が可能な2015年以降、最大の引き上げ率です。
具体的には、国や自治体がそれぞれの保育所、幼稚園などに支給する金額を増やします。この支給額は、園児の数に対して必要な保育者の数の基準などをもとに決められる予定で、国が定めた基準よりも多くの保育士などが働いている園の場合、1人あたりの処遇改善率が10.7パーセントを下回る可能性もあるということです。
厚生労働省の調査によりますと、去年、保育士の平均給与は年間約400万円で、この数字で単純計算すると、処遇改善が行われた場合、年間42万8000円ほど給与が増えます。
同じくこどもと関わる職業である、小中学校教員の平均給与は、年間660万6000円で、保育士とは260万円ほどの差があるなど、保育士の給与水準の低さが保育士の確保を阻んでいると問題視されてきました。
三原大臣は、保育所を利用している親や保育士から処遇改善が必要だとの声が多く聞かれる、とした上で、「保育の質の向上につながるもの。未来を担うこどもたちのため、現状から大きく脱却して前進させる」と意気込みを語りました。
処遇改善は、今年度分について実施される予定で、補正予算が成立すれば、すでに支払われている今年4月以降の給与との差額分も、さかのぼって今後支払われる予定です。