「仁義なき戦い」だけじゃない! 没後10年「菅原文太」の出演作ベスト10 「沢田研二と共演」で話題を呼んだ異色アクション映画が3位に


【写真】菅原文太さん「出演作ベスト10」を表で見る…自身の農園で撮影された粋な「作業着姿」も

(「週刊新潮」2014年12月11日号「『高倉健』の後を追うように 『菅原文太』の棺を蓋いて」の一部を再編集しました。文中敬称一部略、肩書等は掲載当時のままです)

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ギラギラした役を全身で演じた

「何と言っても『仁義なき戦い』は壮観です。特に初期3作は菅原文太の生涯の代表作と言える」

 そう語るのは、映画評論家の白井佳夫氏である。

「初期3作は広島ヤクザの抗争を描くことを通じて、日本戦後史を表した、非常に優れた作品です。原爆によって焼け野原になった広島へ、軍に出ていた若者が目をギラギラさせながら帰ってくる。そして食うため生きるためにヤクザの組を結成して抗争が起こる。暴力の炸裂と笑いが混在した、お祭りのような映画です」

 同じく映画評論家の北川れい子氏も、

「『仁義なき戦い』は日本映画に革命を起こした作品といっても過言ではない」

 とした上で、こう評する。

「文太さんが演じた広能昌三(ひろのう・しょうぞう)は血が煮えたぎっていました。筋を通すためなら自分の手も汚すというギラギラとした役を、文太さんは、小手先ではなく、生の自分で演技していました。ガサツで乱暴で血なまぐさい人間を、文太さんは全身で表現していたのです」



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