韓国の防空識別圏(KADIZ)に29日、中国とロシアの軍用機計11機が進入し、韓国空軍が戦闘機を緊急発進させる事態が発生しました。領空侵犯には至らなかったものの、東アジアの緊張が高まる中、今回の事案は周辺国に波紋を広げています。
中ロ合同パトロール、韓国に緊張走る
韓国合同参謀本部によると、中国軍機とロシア軍機は断続的にKADIZに進入し、約4時間後に圏外に出ました。韓国軍は進入前に軍用機を察知し、空軍の戦闘機をスクランブル発進させ、対応にあたりました。
alt韓国空軍の戦闘機。今回の事態を受け、改めて国防の重要性が認識されている。(2024年 ロイター/Kim Soo-hyeon)
中国国営メディアは同日、中ロ両軍が日本海上空で戦略的哨戒を実施したと報じており、今回のKADIZ進入もこの一環と考えられています。
防空識別圏とは?今後の日韓連携は?
防空識別圏(ADIZ)は、国際法上の領空とは異なり、各国が独自に設定する空域です。他国の航空機がADIZに進入する際には、事前に飛行計画の提出が求められます。今回の事案は、中ロ両国が韓国のADIZに無通告で進入したことを意味しており、韓国側の強い反発を招いています。
専門家の見解
国際政治アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の事案は、中ロ両国が連携を強化し、周辺国への牽制を強めていることを示すものだ」と指摘します。「特に、日韓関係改善の動きに対抗する狙いもあると考えられる。今後、同様の事案が繰り返される可能性もあり、日韓両国は緊密な連携を強化していく必要があるだろう。」
alt中ロ軍用機の航跡イメージ。戦略的哨戒の一環とみられるが、周辺国への影響は大きい。
今回の事案は、東アジアの安全保障環境の複雑さを改めて浮き彫りにしました。今後の情勢を注視していく必要があります。
まとめ:東アジア情勢の緊迫化に懸念
中ロ軍用機の韓国防空識別圏への進入は、東アジア地域の緊張を高めるものであり、今後の動向が懸念されています。日韓両国をはじめとする関係国は、緊密な情報共有と連携を強化し、地域の平和と安定を維持していくことが重要です。