折田楓氏と広島tabi物語:炎上騒動から見える行政広報の問題点

兵庫県知事選をめぐる買収疑惑で火種を作ったPR会社「merchu」の折田楓社長。広報手腕をアピールするはずだった「note」への投稿は、思わぬ形で注目を集めることになりました。西宮市のオフィスはもぬけの殻となり、折田氏自身も雲隠れ状態。ネット上では様々な憶測が飛び交っています。

広島市観光サイト「広島tabi物語」への批判

騒動の中、特に話題となっているのが、広島市観光政策部が主催し、メルチュが企画・運営を行う観光サイト「広島tabi物語」です。トップページには原爆ドームを背景にした折田氏の写真が掲載され、「じゃけぇ広島に恋しとる」というキャッチコピーが添えられています。

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この表現に対し、原爆ドームの持つ歴史的意義を軽視している、不謹慎であるといった批判が噴出しています。平和記念公園としての原爆ドームの役割を理解していない、と広島市民からも厳しい声が上がっています。観光PRのプロとして、被爆地広島への配慮が足りなかったと言えるでしょう。

折田氏のインスタグラム投稿も炎上

さらに、折田氏は自身のインスタグラムに「晴天と原爆ドームと私」というキャプションと共に、ドーム前で撮影した写真を投稿。これもまた物議を醸しています。観光客誘致を目的としたPR活動とはいえ、場所の選定や表現方法に疑問の声が上がっています。広報専門家である山田一郎氏(仮名)は、「被爆地の持つ重みを理解した上で、より適切な表現方法を選択すべきだった」と指摘しています。

行政広報における費用対効果の疑問

メルチュは2019年度から連続で広島市のコンペを勝ち抜き、契約総額は3212万円に上ります。しかし、今回の炎上騒動を受け、その費用対効果に疑問の声が上がっています。市民からは、「税金を使ってこのようなサイトを作る必要があるのか」「もっと効果的なPR方法があるのではないか」といった意見が出ています。行政広報の在り方自体が見直される必要があるかもしれません。

今後の広島市観光PRの行方

今回の騒動は、行政広報における課題を浮き彫りにしました。広島市は今後、観光PR事業の見直しを迫られるでしょう。より適切な情報発信を行い、市民の理解を得ながら観光振興を進めていくことが求められます。専門家からは、市民参加型のワークショップなどを開催し、多様な意見を取り入れるべきだという声も上がっています。 観光PRは、地域の魅力を伝えるだけでなく、その土地の歴史や文化への敬意も示す必要があるということを、改めて考えさせられる事例となりました。