岸博幸氏、自民党の「ヤバい」現状を指摘「トップすげ替えだけでは立て直せない」

元経済産業省官僚で経済評論家の岸博幸氏(62)が、自身の経験と専門知識に基づき、自民党の現状に対して厳しい警鐘を鳴らしました。26日に放送された「ドっとコネクト」に生出演した岸氏は、「自民党を内側から見た」結果、「自民党はヤバい」と断言。その発言は、永田町の奥深い問題点を浮き彫りにし、政界内外で大きな波紋を広げています。

岸氏は一橋大学を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。退官後は菅内閣で内閣官房参与を務めるなど、長年にわたり日本の政策決定に深く関わってきました。2023年には血液のがん「多発性骨髄腫」罹患を公表しながらも、今年5月下旬に急遽、参議院選挙に自民党の比例区から出馬。落選したものの、この出馬は「小泉さん、安倍さん、菅さんに関わってきた。特に菅さんへの恩返しのために」と、党への強い思いを明かしています。

参院選での「逆風」を肌で感じた岸氏は、「外から見てる以上に、自民党はだいぶ問題が多すぎて、ヤバイよな、と。だから総理を変えるだけで自民党が立ち直る、っていうことは、僕は確信するに至った」と述べ、党が抱える根深い問題を指摘。

日本の石破茂首相。岸博幸氏が自民党の現状と首相の責任について言及した記事の関連画像。日本の石破茂首相。岸博幸氏が自民党の現状と首相の責任について言及した記事の関連画像。

現在の石破茂首相が「国政の停滞を招いてはいけない」と退陣を否定していることに対しては、「今まで停滞停滞してたじゃん!」と鋭くツッコミを入れました。岸氏は「総理の責任は当然。トップをすげ替えて立て直す、のは難しい。解体的な出直しをしないと(自民党は)よみがえらないのでは」と、単なるリーダー交代では根本的な解決には至らず、自民党そのものの「解体的な出直し」、すなわち抜本的な改革が必要であるとの強い見解を示しています。

岸氏のこの発言は、長年政界の内情を知る専門家としての深い洞察と、自身の選挙戦での体験に基づいたものであり、自民党が現在直面している危機的状況と、その克服に必要な真の改革の方向性について、国民に重要な示唆を与えています。自民党がこの厳しい指摘をどう受け止め、いかにして信頼回復と党の再生を図るのか、今後の動向が注目されます。


参考文献