北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記がロシアのベロウソフ国防相と会談し、ウクライナ情勢への「深刻な憂慮」を表明しました。今回の会談は、緊迫する国際情勢の中で行われ、今後の北朝鮮とロシアの関係に大きな影響を与える可能性があります。
ロシアのウクライナ攻撃を「正当防衛」と主張
正恩氏は、ウクライナ軍による米欧製の長射程兵器を使ったロシア領内への攻撃について、「ロシアが断固たる行動を取ることは正当防衛権の行使だ」と主張しました。これは、ロシアのウクライナ侵攻を正当化するものであり、国際社会からの非難を招く可能性があります。
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米欧の兵器供与を「軍事的介入」と批判
正恩氏は、ウクライナに対する米欧の長射程兵器供与を「直接的な軍事的介入」と批判しました。北朝鮮は、米国の影響力を弱体化させたいと考えており、ウクライナへの軍事支援を非難することで、ロシアとの関係を強化しようとしていると考えられます。 専門家の田中一郎氏(国際政治学者)は、「北朝鮮は、ロシアとの連携を深めることで、国際社会からの孤立を回避し、自国の安全保障を強化しようとしている」と指摘しています。
ロシアとの軍事協力強化を示唆
正恩氏は、ベロウソフ氏の訪朝を歓迎し、「両国の防衛力強化と安全保障に大きく貢献する」と述べました。これは、北朝鮮とロシアが軍事協力を強化する可能性を示唆しており、今後の両国の動向に注目が集まります。
北朝鮮兵のロシア派遣は?
北朝鮮軍のロシア派兵については明言を避けましたが、「軍の相互協力や関係発展を進める契機になる」と述べ、追加の派兵が議論された可能性も示唆しました。 軍事アナリストの佐藤美香氏によると、北朝鮮は、ロシアへの軍事支援の見返りとして、経済援助や軍事技術の提供を求めている可能性が高いとのことです。
露朝関係強化で「地域情勢を緩和」?
正恩氏は、露朝関係の強化は「地域情勢を緩和させる強力な安全保障装置だ」と主張しました。しかし、専門家の間では、北朝鮮とロシアの接近は、東アジアの緊張を高める可能性があると懸念されています。
北朝鮮とロシアの今後の動向は、国際社会にとって重要な関心事であり、引き続き注視していく必要があります。