【トップガン マーヴェリック】リアル?フィクション?元パイロットが語る映画の真実

映画『トップガン マーヴェリック』の大ヒットは記憶に新しいですね。迫力満点の空撮シーンに胸を熱くした方も多いのではないでしょうか。しかし、あのリアルな描写の中にも、実は「ありえない」シーンが隠されているとしたら?今回は、元F-14パイロットである架空のベテラン、山本一郎氏(仮名)の視点から、映画の真実を紐解いていきます。

現実離れしたシーンの数々

まず、山本氏は映画の中でいくつか「ありえない」シーンを指摘しています。

ミサイルと並走?

友軍のトマホークミサイルと戦闘機が並んで飛行するシーン。山本氏によると、これは衝突の危険性だけでなく、敵レーダーに探知されやすくなるため、現実的にはありえないとのこと。

士官学校の入学選考に介入?

マーヴェリックがルースターの海軍士官学校入学を妨害する設定も現実味を帯びていません。海軍大佐といえども、入学者選考に影響力を行使することは不可能だといいます。選考は厳正な基準で行われ、特定の候補生を差別することは許されないそうです。

損傷した滑走路から離陸?

敵地に不時着したマーヴェリックとルースターが、F-14を盗んで離陸するシーン。滑走路が破壊されているため誘導路を使うのですが、離陸に必要なフラップを使用していない点に山本氏は疑問を呈します。フラップなしでの離陸は滑走距離が長くなり、現実的には難しいでしょう。

F-14戦闘機が誘導路上を移動しているシーンF-14戦闘機が誘導路上を移動しているシーン

大佐がP-51を所有?

マーヴェリックの愛機P-51「ムスタング」。数億円ともいわれるこの機体を海軍大佐が所有するのは、経済的に現実的ではないと山本氏は指摘します。もちろん、トム・クルーズが実際に所有していることは周知の事実ですが。

VG翼の限界を超えて?

F-14の特徴であるVG翼。この可変後退翼は、飛行状態に合わせてコンピューターが自動的に角度を調整します。空中戦でマーヴェリックは手動で翼を広げますが、高速飛行時にこの操作を行うと機体に大きな負担がかかり、帰還が困難になる可能性もあると山本氏は懸念を示します。

元パイロットを唸らせるリアルな描写

一方で、山本氏はF-14の描写に、現役時代を彷彿とさせるリアリティを感じたそうです。細かな動作や計器の表示など、F-14に精通した人でなければわからない描写が随所に散りばめられていたといいます。特に、コックピット内の計器類やパイロットの操作、そして独特のエンジン音などは、当時の記憶を鮮明に蘇らせたそうです。

映画はエンターテイメント

もちろん、映画はエンターテイメント。多少の脚色は避けられないでしょう。しかし、山本氏のような専門家の視点を加えることで、映画をより深く楽しむことができるのではないでしょうか。 トップガン マーヴェリックは、エンターテイメント性とリアリティのバランスが見事に取れた作品と言えるでしょう。

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