ロシアの2025年度国家予算における軍事費が、過去最高の13兆5千億ルーブル(約18兆8800億円)に達することが明らかになりました。これは2024年度予算の約1.3倍、GDP比で6.3%という驚異的な数字です。プーチン大統領が11月30日に予算案に署名し、成立しました。
軍事費、歳出全体の約3分の1を占める
総歳出額は約41兆5千億ルーブルとされており、そのうち軍事費が約3分の1を占める計算となります。兵器調達や軍隊運営に充てられるこの巨額の軍事費は、ロシアの国家戦略を如実に反映しています。
ウクライナ侵攻以降、軍事費は右肩上がり
ロシアの軍事費は、ウクライナ侵攻開始以降、急激に増加しています。2022年は4兆7千億ルーブル、2023年は6兆4千億ルーブル、2024年は10兆4千億ルーブルと、年々増加の一途を辿っています。侵攻以前は、軍事費のGDP比は3%台後半~4%台前半にとどまっていました。
ロシア軍の戦車
教育・社会保障費は削減傾向
軍事費の増大とは対照的に、教育や社会保障への支出は削減傾向にあります。これは、ロシアが国力を集中させて「戦勝」を目指していることを示唆しています。軍事費の優先順位の高さが浮き彫りとなっています。
食糧安全保障への影響は?
軍事費の増大は、食糧安全保障にも影響を与える可能性があります。農業への投資が減少すれば、食糧生産が減少し、国民生活に悪影響を及ぼす可能性があります。モスクワ国立大学のイワノフ教授(農業経済学)は、「軍事費の増大は、農業分野への投資を圧迫する可能性があり、長期的には食糧安全保障に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘しています。
ロシアの小麦畑
国際社会の反応
ロシアの軍事費増大に対し、国際社会は懸念を示しています。各国は、ロシアの軍事力増強が地域の不安定化につながることを懸念しており、今後の動向を注視しています。
まとめ:ロシアの軍事費増大、今後の行方は
ロシアの軍事費は、ウクライナ侵攻以降、増加の一途を辿っており、2025年度は過去最高の18兆円を超える見込みです。この軍事費増大は、ロシアの国内経済や国際関係に大きな影響を与える可能性があります。今後の動向に注目が集まっています。