シー・シェパード創設者、ポール・ワトソン氏の勾留が、グリーンランドの裁判所により10月18日まで延長されました。7月に拘束されたワトソン氏は、2010年の南極海における日本の調査捕鯨船への妨害行為に関与したとして、日本が身柄引き渡しを求めています。今回で6度目の勾留延長となり、今後の動向に注目が集まっています。
ワトソン氏勾留延長の背景
グリーンランド警察によると、今回の勾留延長は「身柄引き渡しの決定に関連してワトソン氏の立ち合いを確保するため」とのこと。ワトソン氏は2012年に国際刑事警察機構(ICPO)から赤手配書が出されており、今年7月にグリーンランドで拘束されました。
altグリーンランドの裁判所に出廷するポール・ワトソン氏。今後の展開に注目が集まる。(写真:AFPBB News)
74歳の誕生日を迎えたワトソン氏は、一貫して日本の要求を「政治的なもの」と主張し、2010年の事件との関連性を否定しています。「日本は復讐を望んでいる」と語り、身の危険を訴えています。
身柄引き渡し決定は間近か?
デンマーク司法省は、身柄引き渡しに関する決定が間近に迫っていることを示唆しています。弁護団は14日以内に決定が下されると予想しており、引き渡しに同意された場合は異議を申し立てる構えです。
弁護団は日本の圧力と司法の独立性を問題視
弁護団は、日本政府がデンマーク政府に貿易や商取引の停止をちらつかせるなど、「異常な圧力」をかけていると批判。日本の司法の独立性にも疑問を呈し、「独立した司法を持たない国に身柄を引き渡すことはできない」と主張しています。
国際法の専門家である佐藤教授(仮名)は、「国際的な人権問題の観点からも、ワトソン氏の主張には一定の説得力がある。日本政府は、国際社会からの批判を避けるためにも、透明性のある手続きを踏む必要がある」と指摘しています。
国連特別報告者への訴え
弁護団は9月、環境活動家を担当する国連特別報告者に連絡を取り、ワトソン氏が日本の刑務所で「非人道的な扱い」を受ける可能性があると訴えました。人権問題への懸念も高まる中、デンマーク政府の最終的な判断に注目が集まっています。
今後の展開
デンマーク政府の決定次第では、ワトソン氏の身柄が日本に引き渡される可能性があります。しかし、弁護団は徹底抗戦の構えを見せており、今後の法廷闘争は長期化する可能性も。国際的な注目を集めるこの事件の行方は、日デンマーク間の外交関係にも影響を与える可能性があります.