土浦市の歓楽街で、新選組風の衣装をまとった人々がデモ行進を行うという異様な光景が目撃され、話題となっています。一体何が起こっているのでしょうか?この記事では、このデモの背景や目的、そして今後の展望について詳しく解説します。
土浦の歓楽街で起こった変化
茨城県土浦市の桜町歓楽街は、かつては強引な客引きや暴力団との繋がりも噂される、いわゆる「無法地帯」でした。しかし、今年6月、迷惑防止条例違反容疑で風俗店などが一斉摘発されたことをきっかけに、街は大きく変わり始めています。
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この変化を象徴する出来事が、10月末に行われた「暴力団排除デモ」です。200人ほどの参加者は新選組風の衣装を身にまとい、「暴力団の資金源になるな!」と声を上げながら街を練り歩きました。参加者には地元の特殊浴場の従業員なども含まれており、街全体で暴力団排除の機運が高まっていることが伺えます。
なぜ新選組コスチューム?
新選組風の衣装を選んだ理由について、デモ参加者であり土浦暴力団等排除協議会の会員は「特に意味はない」と笑いながら答えています。デモ行進の際に統一感のある衣装として選ばれただけで、新選組の歴史や理念とは無関係とのことです。
暴力団と決別した特殊浴場業界
このデモには、「全日本特殊浴場協会連合会」という団体も参加しています。かつては暴力団との関係が深いと言われてきた特殊浴場業界が、なぜ暴力団排除デモに参加しているのでしょうか?
その背景には、連合会会長の強い意向があります。「歌舞伎町の風俗王」と呼ばれた現会長は、過去の反省から暴力団との関係を断ち切ることを決意。みかじめ料の支払いや、暴力団関係者によるキャッチ行為などを根絶し、健全な業界を目指しているといいます。
みかじめ料の実態
かつて特殊浴場店は、暴力団へのみかじめ料として月に数十万円もの金額を支払っていたといいます。支払いを拒否すると嫌がらせを受け、店の前にゴミを撒かれるなどの被害もあったそうです。
暴力団排除への取り組みと今後の展望
暴力団排除条例の施行により、露骨な嫌がらせは減少したものの、いまだに脅迫めいた書面が届くこともあるといいます。連合会は、今後も繁華街でのデモ行進を続け、暴力団排除の意識を高めていく方針です。11月21日には池袋でも同様のデモが行われました。
土浦の歓楽街は、暴力団との決別という大きな転換期を迎えています。新選組風の衣装をまとった人々のデモ行進は、街の新たなスタートを象徴する出来事と言えるでしょう。今後も、関係者たちの努力によって、より安全で健全な街へと発展していくことが期待されます。