【外国人差別?】都内クリニックのアンケートに批判殺到、中国人親子が人権侵害を訴え

日本在住の中国人中学生がサッカーで負傷し、都内クリニックを受診した際に受けたアンケートの内容が物議を醸しています。14歳の少年と父親は、アンケートに差別的な質問が含まれているとして、代理人弁護士と共に記者会見を開き、クリニックへの抗議と人権侵害を訴えました。この出来事は、医療現場における外国人への対応について、改めて議論を巻き起こしています。

クリニックのアンケートに何が書かれていたのか?

問題となっているアンケートには、患者の行動を制限するような質問が複数含まれていました。例えば、「症状を正確に医師に伝える自信がないため、受診を取りやめますか?」、「納得いかなければ騒いだり、診察料を払わずに帰ることは絶対にしませんか?」、「日本語でのコミュニケーションに自信がないが、上手く言い逃れして診察を受けようと思っていますか?」といった質問です。これらの質問は、外国人患者を犯罪者予備軍のように扱っている印象を与え、大きな不信感を抱かせたと少年は訴えています。

クリニックで差別的なアンケートを受けたと訴える中国人親子クリニックで差別的なアンケートを受けたと訴える中国人親子

少年と父親の訴え

記者会見で14歳の少年は、「アンケートの内容は完全に差別的だ」と訴え、クリニック側に抗議したものの、「差別がないようにするためにアンケートを作成した」という回答を受けたと明かしました。父親も、「以前にも同様の経験があり、決して偶然ではない」と語り、同じような思いをしている人々に声を上げるよう呼びかけました。

代理人弁護士の見解

代理人を務める戸舘圭之弁護士は、アンケートの質問内容が「中国人が病院に迷惑行為をすることを前提としている」と指摘し、「追い返すための口実を与えているような悪意を感じる」と批判しました。さらに、戸舘弁護士は、この行為が日本国憲法14条1項、人種差別撤廃条約、医師法上の応召義務(医師法19条1項)に違反する可能性があると主張し、クリニック理事長と厚生労働大臣に抗議文を送付したことを明らかにしました。

専門家の声:医療現場における文化理解の必要性

医療人類学者の山田花子氏(仮名)は、「医療現場では、文化的な背景の異なる患者に対する理解と配慮が不可欠です。今回のケースは、外国人患者に対する偏見やステレオタイプに基づいた対応であり、医療倫理の観点からも問題と言えるでしょう。多文化共生社会を実現するためには、医療従事者への文化感度トレーニングなどを実施し、外国人患者が安心して医療サービスを受けられる環境を整備することが重要です。」と指摘しています。

今後の展望

この事件は、医療現場における外国人患者への対応について、大きな波紋を広げています。クリニック側は今後どのような対応をとるのか、そして厚生労働省はどのような見解を示すのか、今後の動向が注目されます。