韓国・沖岩高校、生徒の制服着用を一時中止へ 尹大統領ら卒業生に批判殺到で

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の出身校であるソウル市の私立沖岩高校は、2024年12月9日から卒業式までの期間、生徒の制服着用を一時的に中止することを決定しました。これは、尹大統領をはじめとする沖岩高校出身の政治家たちが戒厳令宣布に関与したと報じられ、学校への抗議や生徒への嫌がらせが相次いだことを受けた措置です。

戒厳令への関与疑惑と高まる批判

尹大統領の側近である金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相、李祥敏(イ・サンミン)行政安全相、そして尹大統領自身も沖岩高校の卒業生です。これらの政治家たちが戒厳令宣布に深く関わっていたとされ、国民からの批判が集中しています。 特に、金前国防相は戒厳令宣布を進言し、戒厳軍を指揮したと報じられています。李行政安全相も計画への関与が疑われており、沖岩高校出身者が政界・軍・治安機関に多数存在することから、「沖岩派」と呼ばれるほど影響力を持っているとされています。

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生徒への嫌がらせと学校の対応

制服を着用することで沖岩高校の生徒だと容易に識別され、一部の市民から嫌がらせを受ける事例が報告されています。卵を投げつけられた生徒もいるとのことで、学校側は生徒の安全を最優先に考え、制服着用を一時的に中止する決定を下しました。

沖岩高校の校長は保護者宛ての案内文で、生徒への嫌がらせが深刻な場合は学校または警察に連絡するよう呼びかけています。また、学校法人の理事長もSNSで尹大統領らを「恥ずかしい卒業生」と批判するなど、学校関係者からも厳しい声が上がっています。

制服自由化で生徒の安全確保を目指す

沖岩高校は、卒業式までの期間、生徒の服装を自由化することで、生徒が登下校中に不当な扱いを受けることを防ぎ、安全を確保することを目指しています。

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沖岩高校の苦悩と今後の展望

今回の騒動は、一高校が国家レベルの政治的対立に巻き込まれた異例の事態と言えるでしょう。 生徒の安全確保を最優先とする学校の判断は理解できますが、根本的な解決には程遠い状況です。 沖岩高校、そして生徒たちが安心して学校生活を送れる日が一日も早く来ることを願うばかりです。