韓国・曺国元代表、光復節特赦で出所 「検察独裁への終止符」を強調し政治活動再開へ

韓国祖国革新党の曺国(チョ・グク)元代表が、光復節(解放記念日)を機に李在明(イ・ジェミョン)大統領による特別赦免および復権措置を受け、ソウル南部刑務所から釈放されました。曺元代表は、子女入試不正や青瓦台(旧大統領府)監察もみ消しといった一連の容疑で有罪となり、約8カ月間収監されていました。今回の措置により、政治活動への制約が解除され、今後の韓国政界における動向が注目されます。

出所時の声明と支持者へのメッセージ

曺国元代表は15日午前0時2分ごろ、青いネクタイに紺色のジャケット、ジーンズという姿でソウル九老区の南部刑務所を出て、集まった報道陣の前に姿を見せました。彼は出所にあたり、「私の赦免・復権と釈放は、検察権を乱用してきた検察の独裁が終結する象徴的な場面の一つとして記録されるだろう」と述べ、自身の解放が韓国の政治史において重要な意味を持つことを強調しました。

さらに、彼は「憲法的決断を下してくださった李在明大統領に深く感謝申し上げる」と謝意を表明。自身の赦免に対する批判的な意見に対しても、「敬意の念をもって耳を傾けている」と述べ、多様な声を受け止める姿勢を示しました。

曺国元代表、光復節特赦でソウル南部刑務所から出所し、集まった支持者や報道陣に挨拶する様子。曺国元代表、光復節特赦でソウル南部刑務所から出所し、集まった支持者や報道陣に挨拶する様子。

尹錫悦政権への批判と今後の政治活動の方向性

曺元代表は、自身が率いる祖国革新党が創党以来、「検察独裁政権の早期終結」を掲げ、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権と闘ってきたことを改めて表明しました。「尹錫悦一党は内乱という反憲法的暴挙を起こしたが、国民によって撃退された」と厳しく批判し、現政権への強い対決姿勢を示しました。

また、彼は「李在明政府は国民の闘争・抵抗の産物だ」と述べ、現政府の誕生が民意によるものであるとの見解を示しました。さらに、「依然として尹錫悦と決別できず、尹錫悦を庇護する極右政党・国民の力は、改めて審判を受けなければならず、民主・進歩陣営はもっと団結し、もっと連帯しなければならない」と強調し、野党勢力間の結束の重要性を訴えました。

被選挙権回復と政治的復帰への意欲

曺元代表は、「私が自由を取り戻した今から、この2つの課題(検察独裁の終結と民主・進歩陣営の団結)に力を注ぐ」と述べ、復帰後の具体的な政治活動への意欲を示しました。また、「微力ながらも力を添えたい」「復党措置が行われれば、さらに謙虚な気持ちで、より低い姿勢で国民の中に入っていきたい」と語り、国民との対話を重視する姿勢を強調しました。

刑務所前には、祖国革新党の全議員と多数の支持者が集結し、曺元代表の名前を繰り返し叫びながら歓声を上げました。今回の赦免・復権措置の対象には、曺氏とともに前・共に民主党議員の崔康旭(チェ・ガンウク)氏も含まれており、彼もまたその場に姿を見せました。

事件の経緯と法的背景

曺国元代表は昨年12月、子女の大学入試不正や、大統領府民情首席秘書官在任中の監察もみ消しなどの容疑で有罪が確定し、懲役2年の実刑判決を受けていました。当初、刑の執行終了後5年間、すなわち2031年12月まで被選挙権が剥奪されていましたが、今回の特別赦免と復権により、その被選挙権が回復し、政治家としての活動が全面的に可能となりました。

結論

曺国元代表の光復節特赦による出所と被選挙権回復は、韓国政治に新たな波紋を広げることは必至です。彼の復帰が、検察改革の動きや来たる総選挙にどのような影響を与えるのか、また、分断が進む韓国政界において、彼の掲げる「団結と連帯」が実現するのか、今後の動向が注目されます。