紅白歌合戦、今年は見送ることに決めました。ジャニーズのタレントが出演しないからではありません。出演交渉をめぐるNHKの姿勢に、いまだジャニーズの影が色濃く残っていると感じたからです。
NHKとジャニーズ、癒着構造の闇
NHK会長の稲葉延雄氏は10月の会見で、ジャニーズ側の補償への取り組みを評価し、紅白を含む出演交渉を開始すると発表しました。しかし、補償の詳細も不明瞭なまま、いまだ影響力を持つとされる藤島ジュリー景子氏の存在を無視できない状況で、NHK自ら出演を要請するとは、あまりにも性急な判断と言わざるを得ません。まるで「忖度」しているかのようです。
NHK会長とジャニーズ事務所社長の画像
この状況に一石を投じたのが、NHKスペシャル「ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」でした。番組内では、かつて紅白を担当し、その後ジャニーズ事務所、現在はスタート社顧問を務める若泉久朗氏へのインタビューで、NHKとジャニーズの癒着構造を浮き彫りにしました。さらに、被害者への対応における「SMILE-UP.」担当者の心ない発言も放送され、大きな波紋を呼びました。
ジャーナリスト魂の灯、視聴者の声に応えよ
私自身も番組制作に協力し、メリー喜多川氏の姿勢やメディアの責任について語りました。放送は度々延期されましたが、制作陣の強い意志によって実現しました。番組最後に、スタート社所属タレントの出演依頼が可能になったと伝えられたのは、NHK上層部の姿勢への批判と、抵抗の意思表示だったと感じています。
番組は大きな反響を呼び、高視聴率を記録しました。しかし、ジャニーズ側は反発し、紅白への出演を拒否。にもかかわらず、NHK局内ではジャニーズタレントの起用は時間の問題とされているという驚くべき現状があります。
メディアの責任、問われる矜持
崩壊しつつあるジャニーズ帝国を支えているのは、他でもないメディアの姿勢です。放送人としての矜持を捨て、忖度を続ける限り、真の報道の役割は果たせません。番組関係者への取材で、Nスペの影響や現場の雰囲気、今後の番組制作への影響など、様々な課題が明らかになりました。
公共放送のあるべき姿とは
NHKは視聴者の声を真摯に受け止め、公共放送としての責任を果たすべきです。ジャニーズタレントの起用について、根本的な見直しが必要ではないでしょうか。真の「皆さまのNHK」となるために、視聴者からの信頼回復に繋がる英断を期待します。