ハイチ首都スラム街で高齢者110人以上がギャングに虐殺される悲劇

ハイチの首都ポルトープランスにあるスラム街、シテ・ソレイユで、想像を絶する悲劇が起きました。12月6日から7日にかけて、少なくとも110人もの高齢者がギャングによって殺害されたのです。この痛ましい事件は、国際社会に衝撃を与え、ハイチの治安状況の悪化を改めて浮き彫りにしました。

ブードゥー教の呪術が引き金か?残忍な犯行の背景

現地の人権団体、ハイチ国民人権擁護ネットワーク(RNDDH)によると、今回の虐殺は、ギャングのリーダーがブードゥー教の司祭から「自分の子どもの病気は高齢住民の呪術のせいだ」と言われたことが発端とされています。リーダーは逆上し、仲間たちに高齢住民の虐殺を命じたとのことです。

ハイチの首都ポルトープランスのスラム街の様子ハイチの首都ポルトープランスのスラム街の様子

RNDDHの報告によれば、ギャング団は6日に少なくとも60人、7日に50人を鉈やナイフで殺害したとされています。犠牲者は全員60歳以上の高齢者でした。想像を絶する残虐行為に、怒りと悲しみの声が上がっています。

シテ・ソレイユ:貧困と暴力に苦しむスラム街

シテ・ソレイユは、ハイチで最も貧しく、最も暴力的な地域の一つとして知られています。人口密度の高いスラム街であり、ギャングによる支配が続いています。携帯電話の使用制限など、厳しい取締りによって住民は外部との連絡もままならず、今回の虐殺に関する情報もなかなか外部に伝わらなかったと言われています。

情報共有の難しさ、人権侵害の実態

RNDDHは、ギャングのリーダーの子どもが7日午後に死亡したと報告しています。しかし、情報の伝達経路が限られているため、詳細な状況は未だ不明瞭な部分が多いのが現状です。国連の報告によると、このギャングは約300人で構成されているとされており、組織的な犯罪が横行していることが伺えます。治安当局による取り締まり強化が求められています。

著名な人権活動家、マリー・ルイーズ・ジョセフ氏(仮名)は、「シテ・ソレイユのようなスラム街では、貧困と暴力の連鎖が続いており、住民たちは常に恐怖の中で生活している。国際社会は、ハイチの現状に目を向け、人道支援を強化する必要がある」と訴えています。

ハイチの未来、国際社会の支援が不可欠

今回の事件は、ハイチの治安状況の悪化を改めて示すものであり、国際社会の早急な対応が求められています。人道支援だけでなく、ギャングの撲滅、治安の回復、そして貧困からの脱却に向けた長期的な支援が不可欠です。ハイチの人々が安心して暮らせる未来のために、私たち一人ひとりができることを考えていかなければなりません。