韓国大統領退陣要求デモで見られた心温まる光景:男性が女性にトイレを譲る

韓国のユン・ソンニョル大統領の退陣を求める大規模デモが12月7日、ソウル汝矣島で行われました。10万人以上が集まったこのデモで、男性が女性にトイレを譲るという心温まるエピソードがSNSで話題となり、大きな反響を呼んでいます。

デモ会場で生まれた男女の助け合い

長蛇の列となった女性用トイレに対し、比較的空いていた男性用トイレ。そこで、一部の男性が自主的に女性にトイレを譲る行動に出たのです。「私たちは大丈夫だから、女性も使ってください」と声をかけ、急いでいる女性を男性用トイレへ案内する姿が見られました。

altalt

1980年代の民主化運動を経験した世代の男性は「あの時もこうしてトイレを分け合って使ったんです。気にせず使ってください」と声をかけ、自然と女性が列を作る光景が広がりました。 女性が男性用トイレを使う際は「中に男性がいないタイミングで」という暗黙のルールも生まれたそうです。

この行動を目撃した参加者は「こんな温かい市民たちを見て、本当に感動した」とSNSに投稿。 「女性用トイレの列が長すぎて困っていたら、男性たちがトイレを譲り、列を整理してくれたおかげで、女性用トイレの列が一気に短くなった」という声も寄せられました。

SNSで拡散、称賛の声多数

さらに、男性たちが自主的に地下のトイレを利用し、1階のトイレを女性専用にするよう促す場面も。 これらのエピソードはSNSで拡散され、「これが本当の連帯だ」「まだこんな心温まる人々がいるなんて感動した」といった称賛のコメントが多数寄せられました。

多くのネットユーザーは「1980年代のデモを経験した世代は本当に素晴らしい」「譲ってくれた男性たちに心から感謝したい」「こんな連帯がもっと広がる社会にしたい」と、この行動を高く評価しています。 韓国のフードコラムニスト、パク・ミンジュン氏(仮名)も「食料や水だけでなく、トイレまでも共有するとは、まさに助け合いの精神の表れです。感動的な光景ですね」とコメントしています。

大規模デモの背景

この日のデモには、警察の非公式推計で約10万200人(最大15万9000人)が参加。主催者である全国民主労働組合総連盟(民主労総)は100万人と推計しています。 大統領退陣要求デモにおける、こうした心温まるエピソードは、厳しい社会情勢の中で、人々の心に希望の光を灯す出来事と言えるでしょう。