ビジネスシーンで活躍するアウターといえばコートが定番ですが、近年ではオンオフ兼用できるダウンジャケットの人気が高まっています。しかし、黒・紺・グレーといった定番色を選べばビジネスシーンに馴染むかというと、実はそう簡単ではありません。カジュアルな印象を与えがちなダウンジャケットをビジネスシーンでスマートに着こなすには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。今回は、失敗しないビジネス向けダウンジャケット選びの3つのポイントを、ファッションスタイリストの田中一郎氏（仮名）のアドバイスを交えながら解説します。
ポイント1：丈感で印象が変わる！ミドル丈が最適解
まず重要なのは丈感です。ダウンジャケットの丈は大きく分けてショート丈、ミドル丈、ロング丈の3種類がありますが、ビジネスシーンにはミドル丈が最適です。お尻が隠れる程度から膝丈くらいまでのミドル丈は、縦長のシルエットを作り、スーツスタイルにもバランス良くマッチします。ショート丈はインナーがはみ出てしまうリスクがあり、ロング丈はスポーティな印象が強すぎるため、ビジネスシーンには不向きです。田中氏も「ミドル丈は、きちんと感と動きやすさを両立できる理想的な丈感です」と推奨しています。
altビジネスシーンに最適なミドル丈のダウンジャケット。スタイリッシュな印象を与えます。
ポイント2：素材選びが鍵！上品な質感を重視
ミドル丈を選べばビジネス仕様になるかというと、そうではありません。ダウンジャケットの素材は、全体の印象を大きく左右する重要な要素です。ウール素材は上品でビジネスシーンに馴染みますが、価格が高くなる傾向があります。そこで、より手軽な化学繊維を選ぶ場合は、ツルツルとした光沢のある素材ではなく、編み地のようなマットな質感のものを選ぶのがポイントです。田中氏も「素材の質感でダウンジャケットの印象は格段に変わります。ビジネスシーンでは、落ち着いたマットな素材を選ぶと良いでしょう」とアドバイスしています。
ポイント3：フロントデザインにも注目！隠されたファスナーが上品さを演出
ダウンジャケットのフロントデザインも重要なポイントです。一般的にはファスナーが主流ですが、ビジネスシーンではボタン、もしくはファスナーが隠れる比翼仕立てのデザインがおすすめです。ファスナーはカジュアルな印象を与えがちですが、ボタンや比翼仕立てのデザインは、よりフォーマルで上品な印象を与えます。「一見小さなディテールですが、ファスナーが見えるか隠れているかで、ダウンジャケットの印象は大きく変わります」と田中氏は語ります。
ビジネスシーンでダウンジャケットを着こなすには、丈感、素材、フロントデザインの3つのポイントが重要です。これらのポイントを踏まえ、自分に合ったダウンジャケットを選んで、寒い季節もスタイリッシュにビジネスシーンを乗り切りましょう。
alt比翼仕立てのダウンジャケット。ファスナーが隠れることで、よりフォーマルな印象になります。
