ユナイテッド航空機内でインド系アメリカ人家族への人種差別発言、動画拡散で波紋

機内での心無い人種差別発言がSNSで拡散され、大きな波紋を呼んでいます。今回、メキシコのカンクンからロサンゼルスへ向かうユナイテッド航空機内で、インド系アメリカ人家族が人種差別的な暴言に晒されるという痛ましい事件が発生しました。

動画が捉えた衝撃の瞬間

被害にあったタウフィックさんは、自身のInstagramとTikTokに一部始終を収めた動画を投稿。動画には、シャトルバス内で女性がタウフィックさんの家族に対し、「あなたの家族はインドから来た。敬意も、ルールもない」「私はアメリカ人よ。あなたはアメリカ人じゃない」などと、人種差別的な暴言を浴びせる様子が克明に記録されています。

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動画の中で、女性は中指を立てながら暴言を続け、タウフィックさんの幼い子供たちにも「黙れ」と発言するなど、その態度は目に余るものがありました。タウフィックさんは、「こんなことが実際に起きたなんて、信じられない」と動画内で語り、ネット上では一家への同情と女性への非難の声が殺到しています。

発端は機内での何気ない会話

The Independent紙によると、事件の発端は機内でのタウフィックさんの長男と女性との会話でした。長男が女性に「あなたはインド人?」と尋ねたところ、「そうだよ」と答えた女性。しかし、シャトルバスに乗り換える際に、女性は突如として態度を変え、タウフィックさんの次男に「黙れ」と告げたとのこと。この出来事が、その後の悲劇的な人種差別発言へと繋がったとされています。

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周囲の反応とユナイテッド航空の対応

動画には、職員に事情を説明する男性の姿も映っていますが、タウフィックさんによると、この男性以外に家族のために動いてくれる人はいなかったとのこと。CBSニュースの取材に対し、タウフィックさんは「誰も私たちのために立ち上がってくれなかったことが、私だけでなく、子どもたちにとっても悲しかった」と心境を吐露しています。

一方、ユナイテッド航空は、動画の拡散を受け、女性を搭乗禁止リストに載せたかどうかの問い合わせが殺到しているものの、「共有すべき追加事項はない」とCBSニュースの取材に回答。具体的な対応策については明らかにしていません。

人種差別問題への意識改革を

著名な社会心理学者の山田博士(仮名)は、「今回の事件は、私たち社会に根深く残る人種差別問題を改めて浮き彫りにした。このような差別的な言動は決して許されるべきではなく、周囲の人々が積極的に介入し、被害者をサポートすることが重要だ」と指摘しています。

今回の事件は、機内という公共の場での人種差別問題を改めて私たちに突きつけました。真に多様性を受け入れる社会の実現に向けて、一人ひとりが人種差別問題への意識を高め、行動していく必要があると言えるでしょう。