元衆議院議員の金子恵美氏が、準強制性交の疑いで逮捕された元大阪地検トップの無罪主張に疑問を呈しました。ABCテレビ「newsおかえり」に出演した金子氏は、被告の主張を「稚拙で説得力がない」と批判し、今後の性犯罪裁判への影響を懸念しています。
元地検トップ、一転無罪主張の経緯
元大阪地検検事正は、部下の女性検事に性的暴行を行ったとして準強制性交の疑いで逮捕され、10月の初公判では起訴内容を認めていました。しかし、弁護人が交代した後の12月10日、第2回公判を前に一転して無罪を主張しました。新たな弁護人である中村和洋弁護士は、「同意があった」として犯罪の故意を否定しています。
元衆議院議員の金子恵美氏
当初、被告は関係者への迷惑を考慮して争わない方針でしたが、それがかえって検察批判を招いたため考え直したとされています。この点について、金子氏は「地検トップとしての間違った責任感」と指摘し、理解に難を示しました。
金子氏「同意があった」という主張に疑問
金子氏は、性犯罪において「同意の有無」が常に問題となる点を強調。今回の「同意があったと思っていた」という主張は、地検トップの発言としてはあまりにも稚拙で説得力に欠けると批判しました。客観的な証拠や根拠なく無罪を訴えることに驚きを隠せない様子でした。
番組解説を務めた大澤孝征弁護士も、被告の態度は検察組織全体の批判を招きかねないと指摘。金子氏の疑問に同調し、組織トップとしての責任感の欠如を嘆きました。
今後の性犯罪裁判への影響を危惧
金子氏は、もし無罪判決が出れば、他の性犯罪裁判に悪影響を及ぼす可能性があると懸念を示しました。「この理由で無罪になるなら、他の裁判でも同じことが起きるのではないか」と、判例として認められることの危険性を訴えました。
大澤弁護士は、裁判では被害者の証言と被告の主張を比較検討し、どちらがより信憑性が高いかで判断されると解説。被害者の証言が重視される可能性が高いとの見解を示しました。
今回の裁判の行方は、今後の性犯罪裁判に大きな影響を与える可能性があります。金子氏をはじめとする関係者の懸念が現実にならないことを願うばかりです。