同じ証券でも金利が2倍!各行が続々乗り出す「証券口座連携預金」のお得な選び方


● 開始から1カ月で残高3000億円を突破 「SBIハイパー預金」はなぜ人気?

 高市政権のスタートとともに、日経平均は5万円を軽々と突破。投資意欲はますます過熱しそうだ。その一方で注目を集めている「預金」がある。

 SBI新生銀行は、9月23日から取り扱いを開始した「SBIハイパー預金」の残高が、開始から1カ月で3000億円を突破したと発表した。

 SBIハイパー預金は、同じグループであるSBI証券での取引資金をプールするための預金だ。預金残高はSBI証券の「買付余力」に自動的に反映される。この預金に残高があればいちいちSBI証券の口座へ入金手続きをする必要がなく、また有価証券の売却時にも自動的に預金口座へ出金される。

 好調な株式市場の恩恵を受けたい利用者が、SBIハイパー預金へせっせと預け入れしているのだろう。

 このような証券口座と連携した預金はこれまでもあった。例えば、住信SBIネット銀行にも同じくSBI証券の取引に使える「SBIハイブリッド預金(SBI証券自動スィープ口座)」がある。なのに、前者がどうしてこれほど金額を集めているかと言えば、理由の一つは金利の高さだ。

 メガバンクの普通預金金利が年0.2%のところ、こちらは年0.42%という倍近い数字を出した。しかも、SBIハイパー預金を開設した翌々月から、当銀行の優遇ステージの最上位であるダイヤモンドステージが適用されるという。

 ダイヤモンドステージでは、提携金融機関ATMの出金手数料が何回でも無料、他行宛て振込手数料が月10回無料といった優遇が受けられる。

● auじぶん銀行も口座連携に 設定によっては金利4%超えに

 SBIを冠につけていない銀行でも、SBI証券との口座連携に乗り出した。それが、auじぶん銀行だ。同行は9月19日より、「auじぶん銀行 リアルタイム入金」の提供を開始した。SBI証券のサイトからauじぶん銀行口座を振替口座として登録すると、手数料無料でリアルタイムにSBI証券総合口座に入金できるようになる。

 なお、SBI証券との連携はauじぶん銀行の「まとめて金利優遇」サービスの対象となり、預金金利が0.1%上乗せされるため、合計で年0.31%が適用となる。「まとめて金利優遇」は、auの他の金融サービスであるauPAYとのチャージ連携、auPAYカードの引き落とし口座としての設定も対象だ。リアルタイム入金に加え、これらすべての設定を済ませれば、金利は最大0.41%まで上積みされることになる。

 auじぶん銀行の「まとめて金利優遇」は、もともと“au経済圏”の証券会社であったauカブコム証券を連携対象としていた。が、同証券は2024年11月に三菱UFJ銀行の完全子会社となり、その後三菱UFJ eスマート証券に社名変更、MUFGグループのネット証券とのスタンスを強めている。

 三菱UFJ eスマート証券は、現状ではauじぶん銀行の「まとめて金利優遇」の対象ではあるが、同行はネット証券強者であるSBI証券との連携を強めていく方向に舵を切ったのだろう。

 SBI証券と仲良くするのかしないのか、今後がすっきり見えてこないのが住信SBIネット銀行だ。社名にはSBIをつけているものの、現在はドコモグループの銀行として「d NEOBANK」というブランドネームを併用している。



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