韓国・尹大統領弾劾可決の可能性高まる:強硬姿勢に与党内からも反発

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の強硬姿勢が、自身の弾劾可決の可能性を高めている。12日午前の談話で弾劾や捜査に立ち向かう姿勢を明確にした尹大統領に対し、与党内からも反発の声が上がり、14日に予定される2回目の弾劾訴追案の採決で可決される公算が大きくなっている。

談話で強硬姿勢示すも、与党内から反発

尹大統領は12日の談話で、「弾劾されても捜査されても堂々と立ち向かう」と述べ、野党による弾劾の動きに徹底抗戦する姿勢を示した。さらに、戒厳令の発令について問われた際には、「大統領の憲法上の決断であり統治行為だ」と正当化し、野党の批判を一蹴した。

しかし、この強硬姿勢が裏目に出ている。与党代表は談話の内容を「事実上、内乱を自白するもの」と批判し、弾劾訴追案に賛成する意向を表明した。

尹錫悦大統領尹錫悦大統領

与党造反議員増加で弾劾可決の可能性大

弾劾訴追案の可決には、国会議員300人のうち3分の2にあたる200人の賛成が必要となる。野党が結束している現状では、与党から8人の造反議員が出れば可決となる。すでに7人の与党議員が賛成の意向を表明しており、弾劾可決の可能性は日増しに高まっている。

専門家の見解

韓国政治に詳しい慶應義塾大学教授のA氏(仮名)は、「尹大統領の強硬姿勢は、支持基盤の保守層を固める狙いがある一方で、中間層や無党派層からの反発を招いている。今回の談話は、与党内からも反発を買い、弾劾可決を後押しする結果となった」と分析している。

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今後の韓国政局は不透明

弾劾訴追案が可決された場合、憲法裁判所が弾劾の可否を判断する。その間、大統領の職務は停止され、国務総理が職務を代行する。憲法裁判所の判断によっては、韓国政局はさらに混乱に陥る可能性も否定できない。今後の動向に注目が集まっている。

他の専門家の意見

韓国の政治経済研究所の所長B氏(仮名)は、「弾劾可決の可能性が高まったことで、韓国経済への影響も懸念される。すでにウォン安が進んでいるが、さらにウォン安が加速する可能性もある。また、外交面でも不安定な状況が続くことが予想される」と指摘している。