日産自動車が、またしても経営の岐路に立っています。2025年3月期上期は、営業利益がなんと9割減という衝撃的な結果に。期初には5.5%の増益を見込んでいた通期営業利益も、7割を超える減益へと下方修正されました。わずか半年で2度もの下方修正…かつてのゴーン体制時代を彷彿とさせる状況に、不安の声が広がっています。一体、日産に何が起きているのでしょうか?
販売台数拡大の誤算:アメリカ市場で苦戦
日産は今期、売上高を前期比10.4%増の14兆円と予想していましたが、11月7日には12兆7000億円へと下方修正。増収どころか横ばいという厳しい見通しとなりました。
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日産の主力市場である北米では、当初、前期比13.3%増の143万台の販売を計画。コロナ禍からの回復基調を受け、2年連続の2桁増を目指していました。しかし、上半期の販売実績を踏まえ、134万台へと下方修正。販売戦略の軌道修正を余儀なくされています。
高額インセンティブ戦略の裏側
今期上半期の営業利益は329億円、前年同期比で3038億円もの減少。その大きな要因は、販売台数の伸び悩みと販売費用、特に「販売費用/価格改定」による1027億円のマイナスです。日産は北米市場で販売代理店へのインセンティブを強化したとみられています。日本経済新聞によると、2024年7~9月期の日産のインセンティブは1台平均4000ドルと、業界平均より3割も高いとのこと。
日産は2024年1月に主力車種「ローグ」の改良新型を発売。旧モデルの在庫を減らすため、新型投入前にインセンティブを高く設定したと考えられます。しかし、この戦略は裏目に出てしまいました。
アメリカ市場のトレンドを読み違えた?
現在のアメリカ市場では、EVよりもハイブリッド車が人気を集めています。安価で燃費が良く、航続距離も長いハイブリッド車は、消費者のニーズを的確に捉えています。日産は独自のハイブリッド技術「e-POWER」を開発していますが、高速燃費の悪さがネックとなり、北米ではガソリン車が中心。売れる車種が少ないことが、苦戦の大きな要因となっています。
e-POWERの未来:アメリカ市場での成功は可能か?
自動車評論家の山田一郎氏(仮名)は、「日産はe-POWERの燃費改善に取り組む必要がある。高速燃費が向上すれば、アメリカ市場でも十分に競争力を持つことができるだろう」と指摘しています。
販売台数拡大を目指した日産でしたが、市場の変化を読み違え、販売戦略も迷走。インセンティブ強化による販売費用の増加が利益を圧迫する結果となりました。日産は今後、どのようにしてこの苦境を乗り越えていくのでしょうか? e-POWERの進化、そしてアメリカ市場での成功に期待がかかります。
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