大人だって夢中!おもちゃ市場の驚きの成長と進化

おもちゃ市場が活況を呈しています。少子化が進む中で、なぜこんなにも盛り上がっているのでしょうか?この記事では、大人も楽しめる最新のおもちゃ事情と、市場拡大の背景を探ります。

おもちゃ市場、1兆円突破の背景

かつて7000億~8000億円台で推移していた国内の玩具市場規模は、近年急成長を遂げ、2023年度にはついに1兆円を突破しました。0~14歳の人口は減少傾向にあるにも関わらず、この活況は一体何が原因なのでしょうか?

日本玩具協会見本市委員会の藤井大祐専門委員は、成人の多くがおもちゃを購入し楽しんでいると推測しています。実際、「トイジャーナル」のアンケート調査によると、2023年には成人1万4000人のうち41%が「自分が楽しむための玩具を買ったことがある」と回答しています。

altalt

キダルト層の増加と進化するおもちゃ

子供心を持つ大人層、いわゆる「キダルト層」の増加が市場拡大の大きな要因です。日本では1990年代後半から大人もおもちゃを楽しむ姿が一般的になり、アニメやゲームに親しんで育った世代が大人になるにつれ、おもちゃへの抵抗感が少なくなってきました。

技術の進化も市場を盛り上げる一因です。ガチャガチャをはじめ、リアルな造形や彩色が施された高クオリティのアイテムが次々と登場し、大人の心を掴んでいます。例えば、1996年に登場したバンダイの「たまごっち」は、画面の中の生き物を育成するゲームとして一世を風靡しました。

カードゲーム・ボードゲームの多様化

近年、カードゲームやボードゲームの世界で、大人も楽しめる商品の進化が目覚ましいです。疫病を防ぐ、火星を開拓する、スパイを摘発するなど、多様なシナリオをベースにしたものから、しりとりや布のパッチワークで遊ぶものまで、幅広いジャンルのゲームが登場しています。おもちゃ専門家の佐藤美咲氏(仮名)は、「これらのゲームは、大人同士のコミュニケーションツールとしても人気が高まっている」と指摘します。

大人向け商品の登場

子供向けだったおもちゃも、大人向けに進化を遂げています。例えば、「リカちゃん人形」(タカラトミー)には、大人向け商品「フォトジェニックリカ」が登場。関節を曲げ、様々なポーズをとらせてSNSにアップするのがブームになりました。また、「シルバニアファミリー」(エポック社)では、動物たちの「赤ちゃんコレクション」が発売され、ブラインドパッケージ形式のため、まとめ買いする大人もいるそうです。

コロナ禍の影響

コロナ禍で長期間の在宅時間を過ごしたことも、家の中で遊ぶことに目覚めた層を増やすきっかけとなりました。

まとめ:おもちゃは大人も楽しめるエンターテイメント

おもちゃ市場は、キダルト層の増加、技術の進化、多様な商品展開などにより、成長を続けています。もはやおもちゃは子供だけのものではなく、大人も楽しめるエンターテイメントへと進化を遂げているのです。ぜひ、最新のおもちゃに触れて、童心に帰って楽しんでみてはいかがでしょうか?