北朝鮮カレンダーから「主体年号」消える:金正恩氏、祖父の影から脱却か?

北朝鮮で2025年に使われるカレンダーから、故金日成主席の生年を元年とする「主体年号」が姿を消したことが話題となっています。これまで金正恩体制下では、金日成氏の権威を強調することで体制の安定を図ってきましたが、今回の変更は、金正恩氏が独自の指導路線を強化し、祖父の影から脱却しようとする意思表示とも解釈できます。

主体年号とは?そして、なぜ消えたのか?

主体年号は、金日成主席の生年である1912年を元年とする、北朝鮮独自の紀年法です。北朝鮮の公式文書や出版物には、西暦と併記される形で長年使用されてきました。しかし、今回共同通信が入手した2025年版のカレンダー3種類には、この主体年号が記載されていません。

altalt(2025年版北朝鮮カレンダー:主体年号の記載がない)

この変化の背景には、金正恩氏の指導者としての立場確立と、国際社会への対応の変化が考えられます。金日成氏のカリスマ性に頼るのではなく、自身の業績を強調することで、国内の求心力を高めようとしている可能性があります。また、国際社会との関係改善を目指す上で、主体年号の使用が障害となる可能性を考慮したという見方もできます。

カレンダーに記載された祝日:太陽節と光明星節

主体年号は消えたものの、カレンダーには「太陽節」(4月15日)と「光明星節」(2月16日)は特別な祝日として明記されています。太陽節は金日成主席の誕生日、光明星節は金正日総書記の誕生日であり、これらの祝日は引き続き重要視されていることが分かります。

専門家の見解

北朝鮮問題に詳しい専門家(仮名:山田太郎氏)は、次のように分析しています。「主体年号の削除は、金正恩氏が祖父の威光に頼らず、独自の指導路線を確立しようとする意志の表れと言えるでしょう。しかし、太陽節や光明星節は維持されていることから、金一族への崇拝は今後も継続すると考えられます。」

今後の北朝鮮の動向に注目

今回のカレンダーの変更は、北朝鮮の国内政治や対外政策にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目が集まります。金正恩氏の指導体制がどのように変化していくのか、引き続き注視していく必要があります。