米国防権限法2020の協議が正式に始まる 民主党との対立により成立は難航の予測も
2020年の会計年度の国防権限法協議が先週に開始されました。多くの争点がすでに判明しており、一部の民主党議員などの対立により難航が予想されています。民主党はトランプ氏が求める内容にすべて反対しているため、トランプ氏は下院での承認案に拒否権を行使する予定です。これまで58年連続で通過させている大事な法案ですので、59年目も通す必要があると考えられます。
米国防予算の両院協議開始、国境の壁・対イラン・宇宙軍が争点
9/20(金) 14:00配信 ロイター
[ワシントン 19日 ロイター] – 米上下両院で19日、今年の国防権限法(NDAA)の協議が正式に始まった。NDAAは国防予算の大枠を決めるために議会が毎年通す法律で、規模は7000億ドル。
今年の協議では、トランプ大統領のメキシコとの国境沿いの壁建設計画、宇宙軍創設、大統領のイランとの開戦権限が最大の争点となる見込み。
NDAAは1961年以来毎年成立している。「必須」法案であるため、広範な政策措置の手段となるだけでなく、軍の給与水準から船舶や航空機の近代化や購入などに関する決定の基準となる。
2020会計年度のNDAAの議会通過は、トランプ大統領と議会民主党および一部の共和党議員の激しい対立から、難航が予想されている。
今年はトランプ政権にとって議会がねじれ状態で迎える初めての年。国境の壁建設に執念を燃やす大統領は、すでに民主党が過半数を握る下院での承認案に拒否権を行使する考えを示している。
上下両院はすでに独自のNDAAを承認済みで、19日が協議開始日となった。
下院軍事委員会のアダム・スミス委員長(民主党)は、壁建設費用などの重要事項についてまだ結論を出していないと述べた。
トランプ大統領が議会承認なしにイランに対して軍事行動をとることを禁じる修正案についても、意見は分かれている。この問題は今週、米国と一部の同盟国がサウジ石油施設への攻撃でイランを批判したことで重要度が増した。
民主党は、トランプ大統領が打ち出した宇宙軍構想にも反対している。この計画はコストが数十億ドルにもかさむ可能性が指摘されている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190920-00000073-reut-asia
成立までの道のりは長く険しい
きたか米国防権限法!これは重要な報道じゃないか?
実は、ボクが先に別のメディアで記事を見つけて、有能さんに取り上げられないかお願いしてたんです。今日は祝日だけど復帰すると聞いていたし、そうしたら別の記事を探してくれました!
国防権限法案は協議が開始された段階ですので重要な局面には差しかかっていないという認識でしたが、重要度が高いと皆さんが判断されるのであれば取り上げます。先週の19日より正式に協議が開始されました。数多くの争点を抱えており、成立までの道のりは長く険しいものになると予想されます。
記事を見る限りどうなるか分からないよなこれ。今まで報道されてきた内容が全部実はこの予算成立にかかっていることになる。ワトソン君は気付いてたか?
知ってます!有能さんから事前に聞いてたので、警戒はしてました。民主党が邪魔をしてるんですね・・・。
民主党はトランプ氏が求める内容をすべて拒否しています。まずメキシコとの国境沿いの壁を建設するための国防費用の転用も認めていません。また、トランプ氏が議会の承認なしに軍事行動を取ることも禁止をするように働きかけています。宇宙軍構想も同様です。
けしからん話じゃのう。挙国一致せねばならぬ局面じゃ。
そうですね。トランプ氏と民主党の対立は常に存在していますが、今回の国防権限法における協議により顕在化したとみていいでしょう。1961年以降毎年必ず成立させてきた重要な法案ですので、今年も変わらず成立されると信じられています。
そういう言い方をして妙なフラグにならなければいいけどな。去年はそんな報道なかったぞ。
日本の地方紙が米国の国防権限法に注目する理由について
確かに!イヤな予感がしますよね・・・。ボクが見つけたのは、この記事だったんです。
米国防法案「成立へ努力」 両院協議会始まる 壁建設、イラン争点
9/22(日) 7:04配信 琉球新報
米国の国防予算の大枠を決める2020会計年度国防権限法案の両院協議会は19日、初めての会合を非公開で開いた。会合前に上下院の軍事委員長ら4人が記者会見し、「法案を成立させるためにあらゆる努力をする」と強調した。
メキシコ国境地帯の壁建設やイランへの軍事介入が争点になるとみられ、「トランプ大統領と民主党、一部の共和党議員の激しい対立から、議会通過は難航が予想される」(19日付ロイター通信)との見方も出ている。
民主党が過半数を占める下院の国防権限法案では、トランプ政権が国防予算の一部を壁建設に転用することを認めていない。アダム・スミス下院軍事委員長は、両院協議会で壁建設を審議するかどうかは「まだ決まっていない」と述べた。
サウジアラビアの石油施設が攻撃され、トランプ政権がイランの関与を疑いサウジへの米軍増派などを検討している件で、大統領の軍事行動への権限についても議会の意見は割れている。
国防権限法案は1961年以降、上下両院で案が違っても必ず一本化されてきた。委員長らは会見で「過去58年間連続で成立させてきた。59回目の成立となるよう努力する」と強調した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190922-00000004-ryu-oki
なぜ琉球新報が真っ先に報道するんだよwww もう関心がどこにあるか丸分かりだよね。
どうしてなんですか?沖縄なので、何か理由がある気はしたんですけど・・・。
米国防権限法の成否が在日米軍の今後に関わってくるって思ってるんじゃない?知らないけど。何しろ米国の国防予算のあらゆる部分に関わってくるそうだからな。それこそ在韓米軍はおろか在日米軍にも影響が出ないはずがないと思うね。
詳細事項についてはNDAAの資料に目を通してください。私からはどこからどこまでの予算範囲が該当するというような個別の事例には回答する予定はありません。国防権限法は毎年必ず成立していますので、今年も変わらず成立すると考えるべきですね。
本当に信用していいのか?まあそこまで疑ってはいないけど。民主党が折れればそれでいいと思っている。
黒井さん、NDAA2020のPDFがどうしても探せません・・・。どのファイルでしたっけ?
当時の過去ログを見れば分かるだろ。上院のドメインで探せばいい。
コングレス.govですよね?
違う違う。それだと議会全体になってしまう。上院=”Senate”だって教えただろ?それでURL指定して検索すると出てくるよ。
ありました!でも、これって上院の案ですよね?
そうだよ。読者にも探しやすいようにドメインのトップページだけ提示する。PDFファイルの探し方についてはGoogle検索のテクニックを用いてほしい。ちなみに日本語では上院軍事委員会となる。
https://www.armed-services.senate.gov/
トップページに出てる記事が、5月23日のまま止まってますね・・・。下院の案と一本化できるんでしょうか?
協議が始められたばかりですので先行きは不透明です。必要に応じて下院の国防権限法案も参照してください。
上院と下院それぞれの国防権限法案について
ワトソン君、下院は英語で何ていうか知ってる?
「セナーテ」が上院なので、「コングレス」が下院です!
だからそれは米議会そのものだと言ってるだろwww 正解は”House”な。正式名称は”House of Representatives”になる。下院軍事委員会のアドレスもすぐに探せるよ。ちなみに上院の発音は“セナート”に近い。
https://armedservices.house.gov/
PDFファイル、いくつか見つかりました!国境って「ボーダー」ですよね?それらしい表現も見つかったんですけど、共有してもいいですか?
24ページあるPDFファイルを俺は見てるんだけど、それかな?
そうです!その4ページ目に国境の壁について書かれてて、ホントに軍事費用を転用する事を禁止するっていう記述がありました!
なるほど。このファイルとさっきのファイルを突き合わせて1つの法案にしていくわけだね。困難だと思うんだけど、やはり民主党が最終的に譲歩することで成立する流れになるのかな?
私からは現時点で述べられる確かなことはありません。来年に大統領選を予定していることもあり、両院とも簡単には譲歩しないものと考えられます。
まず上院案にはある”Taiwan”の文字列が下院案にはない。この時点で台湾としては戦々恐々とするしかないよね。もしもすり合わせの結果削られたとしたら武器売却の承認もすべて白紙になってしまうからだ。
確かに!それが一番怖いです・・・。上院だけ承認しても、下院も承認しないといけないって事ですよね?
そういうこと。ワトソン君、今までの報道を全部精査して今年の米国防権限法に基づいた売却の承認や決定事項に何があるかをざっとでいいから洗い出してほしい。俺も個別に同じ作業をやるから、両方の調査結果を突き合わせて1つにまとめよう。それでいいよな?
黒井さん、分かりました!やってみます!