ウクライナ紛争:北朝鮮軍、クラスター弾の洗礼を受ける

ロシアの支援を受けたウクライナ東部での紛争は、新たな局面を迎えている。クルスク州に派遣された北朝鮮軍が、ウクライナ軍の反攻作戦により、激しい戦闘に巻き込まれているのだ。この記事では、北朝鮮軍の苦戦と、物議を醸しているクラスター弾の使用について詳しく解説する。

北朝鮮軍、苦戦を強いられる

約1万2000人の北朝鮮兵からなる第11軍団がクルスク州に到着してから2ヶ月後、ついに実戦投入された。ウクライナ軍の猛攻により650平方キロメートルもの突出部が形成された地域において、北朝鮮軍は開けた地形を複数の方向から突撃した。プリョーホボ村への攻撃では、地雷やドローン攻撃を受けながらも一時的に占拠に成功したものの、多大な犠牲を払った。一方で、ウクライナ陸軍第17独立重機械化旅団が守る陣地への攻撃は失敗に終わった。

北朝鮮兵の攻撃の様子北朝鮮兵の攻撃の様子

クラスター弾の使用と倫理的問題

ウクライナ軍の勝利には、物議を醸すクラスター弾の使用が影響した可能性がある。ドローン映像には、雪に覆われた戦場でクラスター弾が炸裂し、子弾が散乱する様子が捉えられていた。使用されたのは、米国製のDPICM(対人・対装甲クラスター弾)とみられる。プリョーホボ村への攻撃で北朝鮮軍は数百人の死傷者を出したとされ、その多くがDPICMによるものと推測される。

DPICM:両刃の剣

DPICMは高い効果を持つ一方で、不発弾が多く残るため、民間人への危険性が高い。不発率は3%を超えることもあり、米陸軍でさえ新型への置き換えを進めている。しかし、兵力・装備で劣勢のウクライナ軍は、そのリスクを承知の上でDPICMを使用している。軍事アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「ウクライナ軍にとってDPICMは強力な兵器だが、長期的な影響を考慮する必要がある」と指摘する。 国際人権団体からも懸念の声が上がっており、今後の戦況に影を落とす可能性がある。

北朝鮮軍の今後の動向

今回の戦闘は、北朝鮮軍にとって厳しい洗礼となった。今後の戦闘への影響、そしてロシアとの関係性にも変化が生じる可能性がある。ウクライナ紛争は、更なる泥沼化の様相を呈している。

クラスター弾の炸裂クラスター弾の炸裂

紛争の行方

ウクライナ紛争の終結への道筋は見えず、北朝鮮軍の参戦は更なる不安定要素となるだろう。今後の動向に注目が集まる。