秋田県では、クマの出没が相次ぎ、駆除が行われるたびに苦情の電話が殺到している。佐竹敬久知事は、12月17日の県議会予算特別委員会で、こうした苦情電話に対し、「お前の所に今(クマを)送るから住所を送れ」と発言し、強硬な姿勢を示した。この発言は大きな波紋を呼び、県庁には賛否両方の意見が寄せられている。
クマ出没と駆除をめぐる現状
秋田県では、2024年もクマの市街地への出没が相次いでおり、11月30日には秋田市のスーパーにクマが立てこもる事件も発生した。クマによる人身被害の危険性が高まる中、県はクマの駆除を進めているが、その一方で動物愛護団体などから苦情や抗議の声が上がっている。
23年10月に秋田県鹿角市に出没した熊
こうした状況下、佐竹知事の強気な発言は、クマの駆除を支持する県民からは「よく言った」と賞賛されている一方、「表現が乱暴だ」などの批判も出ている。
佐竹知事の発言の真意
佐竹知事は、報道陣に対し、発言の真意について「空想の話。私が強い態度を取らないと、職員もできない」と説明。職員が悪質なクレーム電話に対して毅然とした態度で対応できるよう、あえて強い表現を用いたと述べた。
職員への負担
知事の「クマを送る」発言が報じられると、県庁には63件の電話が殺到。自然保護課の職員は、電話対応に追われ、業務に支障が出ていることを明かした。中には30分~1時間にも及ぶ電話もあり、職員の負担は大きい。
駆除への苦情に容赦のない姿勢を見せた佐竹知事
職員は、「基本姿勢として、どんな電話でも一旦はお聞きするのが基本」とした上で、知事の「ガチャン」発言は、説明しても理解してもらえない、一方的な主張を繰り返すなど、極端なケースを想定した例えだと説明している。
専門家の見解
野生動物問題に詳しい「クマ問題研究所」(架空)の山田太郎氏(架空)は、「クマの出没は深刻な社会問題であり、駆除は住民の安全を守る上で必要な措置である場合もある。しかし、感情的な対立ではなく、科学的なデータに基づいた冷静な議論が必要だ」と指摘する。
今後の課題
クマの出没と駆除をめぐる問題は、住民の安全確保と動物愛護の両立という難しい課題を抱えている。県は、クマの生息状況調査や対策の強化、住民への注意喚起など、様々な取り組みを進めているが、更なる対策の検討が必要となるだろう。
まとめ
佐竹知事の強気な発言は、クマ問題の複雑さを改めて浮き彫りにした。クマとの共存は容易ではないが、関係者間の理解と協力が不可欠だ。