ため息、誰もがついついてしまうもの。特に冬の夕暮れ時、思わず「ふぅー」と漏れてしまうことはありませんか?しかし、現代社会では職場でため息をつくことが「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」と捉えられてしまうことも。今回は、ため息のメカニズムから、職場でのため息との上手な付き合い方、そして上手なため息のつき方まで、ため息にまつわる疑問を徹底的に解明します。
ため息の正体:実は体に良いサイン?
精神科医の森田洋史先生によると、ため息はストレスや不安によって緊張状態になった体をリラックスさせるための自然な反応とのこと。交感神経が優位になり呼吸が浅くなった際に、副交感神経を働かせて自律神経のバランスを整えるために、深い呼吸、つまりため息が出るのです。
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ため息は、体の酸欠状態を解消するだけでなく、心の状態を客観的に認識するきっかけにもなります。「今、自分はストレスを感じているんだ」と自覚することで、適切な対処法を見つける第一歩となるのです。
ため息の回数増加に潜む危険信号
しかし、あまりにも頻繁にため息が出るようになった場合は注意が必要です。森田先生によれば、うつ病や貧血、自律神経の病気である心臓神経症などの可能性も考えられるとのこと。普段とは異なる呼吸やため息に気づいたら、医療機関への相談も検討しましょう。
職場におけるため息:フキハラ対策と上手な付き合い方
ビジネスコラムニストの後田良輔氏によると、職場は集団生活の場であるため、ため息の頻度や出し方には配慮が必要とのこと。しかし、ため息=悪というわけではありません。むしろ、ストレスを感じながらも仕事に前向きに取り組む頑張り屋のサインとも捉えることができます。
上司や後輩のため息への対処法
上司のため息に悩まされている場合は、仕事へのプレッシャーや課題に対する苛立ちが原因であることが多いので、過度に気にしすぎる必要はありません。後輩のため息が気になる場合は、状況に応じて声をかけるなど、適切なコミュニケーションを心がけましょう。
リラックス効果を高めるため息のつき方
森田先生によると、効果的なため息の出し方は「長く吐き切る」こと。息を吸うよりも吐くことに意識を集中し、「はぁ」ではなく「はぁぁぁぁ~」と長く吐き出すことで、よりリラックス効果を高めることができます。また、声と共に出す、腹式呼吸を意識するなども効果的です。
ストレス発散とため息の関係
カラオケがストレス発散に効果的なのは、大きな声を出すことで深い呼吸、つまりため息と同様の効果が得られるから。緊張状態になりやすいお腹の筋肉をほぐすことで、心身のリラックスにつながるのです。
まとめ:ため息と上手につきあい、心身を健やかに
ため息は、必ずしも悪いものではなく、むしろ体の自然な反応であり、心の状態を把握するバロメーターともいえます。職場では周囲への配慮も忘れずに、上手にため息と付き合っていくことが大切です。今回ご紹介したため息の知識を参考に、心身ともに健康な毎日を送ってください。