【速報】3億円マグロ漁師、転覆事故で行方不明…大間沖で捜索続く

大間マグロの代名詞、一本釣り漁師の藤枝亮一さんが行方不明となっています。2019年に史上最高値の3億3360万円で落札された巨大マグロを釣り上げた人物として知られる藤枝さん。一体何が起きたのでしょうか。

3億円マグロの立役者、藤枝亮一さんとは?

藤枝亮一さん(70歳、青森県大間町)は、2019年1月に278キロのクロマグロを釣り上げ、築地市場の初競りで3億3360万円という驚異的な価格で落札されました。この記録は未だ破られていません。当時、「すしざんまい」の木村清社長が競り落とし、大きな話題となりました。

2019年1月に一番マグロを競り落とした「すしざんまい」運営会社「喜代村」の木村清社長(左)と、釣り上げた藤枝亮一さん(つきじ喜代村「すしざんまい」公式Xから)2019年1月に一番マグロを競り落とした「すしざんまい」運営会社「喜代村」の木村清社長(左)と、釣り上げた藤枝亮一さん(つきじ喜代村「すしざんまい」公式Xから)

元々は仲買人だった藤枝さん。小さな船で188キロのマグロを釣り上げたことをきっかけに、漁師へと転身。一本釣りにこだわり、潮の流れを読み、マグロと駆け引きする日々を送っていました。

漁船転覆、義弟は死亡確認

12月19日、藤枝さんが義弟の須藤愛教さん(55歳、青森県大間町)と共に乗船していたマグロ漁船「第28光明丸」が転覆。須藤さんは死亡が確認されました。藤枝さんは現在も捜索が続いています。

大間漁協によると、第28光明丸は19日午前1時に出港、午後5時に帰港予定でした。しかし、夜になっても戻らないため、青森海上保安部に連絡。その後、転覆した船が発見されました。

津軽海峡のマグロ漁と一本釣りの魅力

津軽海峡は、黒潮、対馬海流、千島海流の3つの海流が交わる豊かな漁場。豊富なプランクトンを餌とするマグロが集まり、一本釣りが盛んです。一本釣りはマグロに傷をつけずに漁獲できるため、鮮度が保たれ、「大間のマグロ」として高い評価を得ています。

一本釣りの危険性

しかし、一本釣りは10トン以下の小型船で行われるため、海が荒れた際には危険と隣り合わせ。まさに命がけの漁です。それでも、一獲千金を夢見て、多くの漁師たちが海へと出ます。

藤枝さんもその一人でした。3億円マグロで得た収益の一部を、新型コロナウイルス流行時にはマスクの寄贈に充てるなど、地域貢献にも尽力していたといいます。

大間漁協関係者は「明るい人柄のベテラン。無事を祈るしかない」と沈痛な面を見せています。一刻も早い発見を願うばかりです。

厳しい捜索活動、生存の望みは…

事故現場付近の水温は11度。近海のマグロ一本釣りでは、一般的な防寒具しか身につけていないことが多く、低体温症の危険性が懸念されます。水温10~15度では、予想生存時間は1~6時間程度とされています。厳しい状況の中、捜索活動は続けられています。