埼玉県川口市の県警武南署で発生したクルド人らによる騒動を巡り、県議らがクルド人らを刑事告訴した件で、告訴した県議と市議らが1日、都内で記者会見を開きました。彼らは「被害に遭っても黙殺され泣き寝入りしてきた住民の思いも込めて告訴した」と述べました。
埼玉県警武南署の駐車場で、警察官らに中指を立てるクルド人とみられる男性。今回の県議・市議による刑事告訴の発端となった騒動発生時の様子を示唆する一枚。
会見の概要と参加者
会見には、告訴人の高木功介県議、奥富精一川口市議に加え、同席した諸井真英県議が出席。約40人の記者や川口市民らが集まり、高木氏が告訴に至る経緯を説明しました。
2024年7月1日、衆院第2議員会館で行われた会見で、埼玉県川口市のクルド人騒動に関する刑事告訴について説明する高木功介県議(中央)と奥富精一市議(左)、諸井真英県議(右)。
告訴の理由「住民の泣き寝入りを代弁」
奥富市議は、これまで警察や司法などで被害が黙殺され、多くの住民が泣き寝入りを強いられてきた事実を強調しました。そして、「私たちが今回の被害に遭ったことで、泣き寝入りしてきた人たちの思いも込めて、しっかり告訴した」と説明しました。
報道陣との質疑応答
質疑応答では、一部記者から「クルド人を盗撮していないか」「差別や偏見をどう思うか」「責任をどう感じているか」といった質問が繰り返され、会見は1時間40分に及びました。参加した川口市民からは、「問題をこじらせているのはジャーナリストだ」との指摘もありました。
「真の共生」への見解
奥富市議はさらに、「地域が困っている個別の問題を見て見ぬふりをせず、差別やヘイトといった言葉で覆い隠すのではなく、一つ一つ解決していく先に、真の共生が初めて語れるようになる」との見解を示しました。
今回の告訴は、川口市で続くクルド人関連の問題に対し、長年声を上げられなかった住民の苦痛を代弁し、具体的な問題解決を通じて真の共生を目指すという、県議・市議らの強い意思を示すものと言えます。