JR四国は2025年3月15日のダイヤ改正で、特急「うずしお」の岡山駅への乗り入れを廃止すると発表しました。高松~徳島間を結ぶ特急として親しまれてきた「うずしお」の岡山駅乗り入れ廃止は、利用者にとって大きな変化となるでしょう。この記事では、その背景や理由、そして今後の高徳線の展望について詳しく解説します。
岡山駅乗り入れ廃止の背景:人手不足と代替路線の存在
JR四国によると、今回のダイヤ改正は深刻な人手不足の影響を受けています。広報担当者は、利用が少ない時間帯・区間の普通列車だけでなく、特急列車や通勤・通学時間帯の列車も減便せざるを得ない厳しい状況を説明しています。
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では、なぜ「うずしお」の岡山駅乗り入れが廃止の対象となったのでしょうか?その理由の一つとして挙げられるのが、岡山~高松間を走る快速「マリンライナー」の存在です。JR四国の広報担当者は、「マリンライナー」が「うずしお」の岡山駅発着便と走行区間がほぼ重複していることを指摘し、「高徳線からの直通利用のお客様にはご不便をおかけしますが、『マリンライナー』で代替可能と判断しました」と説明しています。
2回のスイッチバックも過去のものに
岡山駅発着の「うずしお」は、岡山~宇多津間で高知方面へ向かう特急「南風」と連結運転されていました。そのため、岡山発の「うずしお」は宇多津駅と高松駅で2回もスイッチバック(方向転換)を行うという珍しい運行形態が特徴でした。鉄道評論家の山田一郎氏(仮名)は、「2回のスイッチバックは鉄道ファンにとっては魅力的な光景でしたが、運行上の効率性という面では課題もあったのかもしれません」と分析しています。今回のダイヤ改正により、このユニークな運行形態も見納めとなるわけです。
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パターンダイヤ導入で利便性向上へ
岡山駅への乗り入れは廃止されますが、今回のダイヤ改正では「うずしお」にパターンダイヤが導入されます。パターンダイヤとは、各時間の発車時間をおおむね統一するダイヤのこと。高徳線の普通列車では既に導入されていましたが、「うずしお」では岡山駅発着列車などで時刻が統一されていませんでした。 これにより、高徳線区間においては以前よりも利便性が向上する見込みです。 山田氏は、「パターンダイヤの導入は、利用者にとって時刻表の見やすさや乗り換えの利便性向上に繋がるでしょう」と期待を寄せています。
高徳線の未来
今回のダイヤ改正は、人手不足という厳しい現実を反映したものであり、利用者にとっては不便が生じる可能性もあります。しかし、パターンダイヤの導入など、利便性向上のための取り組みも進められています。JR四国は、「今後も地域に密着した鉄道サービスを提供できるよう努めてまいります」とコメントしています。高徳線の未来は、更なる効率化と地域ニーズへの対応が鍵となるでしょう。