世界的プロeスポーツチーム「Team Liquid(チームリキッド)」のブラジル人男性選手が広島への原爆投下を再現した一部映像の投稿で謝罪に追い込まれた問題で、チームとスポンサー契約をしている本田技研工業の米国現地法人「アメリカンホンダモーター」は2025年5月19日、契約解除を決定したと公式サイトで発表した。
この問題では、Lucas Dias(ルーカス・ディアス)選手(23)が、日本のプロeスポーツチームに負けたことを受け、英BBC番組の映像を一部切り抜き、投下される爆弾やその後のキノコ雲を再現した部分を投稿して批判が相次いだ。
■「多くの方々に不快な思いをさせてしまった」
ディアス選手は、日本チームの力が爆発したことを表現したと釈明した後、投稿を削除して「不快な表現を意図したわけではないが、文脈と選択が不適切であった」などとする謝罪文をXで投稿している。
その後も、知らなかったでは済まないと批判が相次ぎ、本田技研工業に対しても、スポンサーを止めるべきだとの声が出ていた。
同社の広報部は5月16日、J-CASTニュースの取材に対し、チームリキッドやディアス選手に厳重に抗議したうえで、謝罪文を受け取ったと明らかにした。こうしたことから、スポンサーは継続する意向を示していたが、19日になって、アメリカンホンダモーターの公式サイトで、契約解除を決めたと英文でアナウンスした。
そこでは、チームリキッドのメンバーが不適切なメッセージをSNS上で投稿したことを確認し、事態を重く受け止めて直ちに抗議した結果、チームが謝罪して投稿を削除し、再発防止策を取ったと経緯を説明した。しかし、同社では、「慎重に検討した結果、当該行為はホンダの企業価値と相容れないものであり容認できないと判断し、チームとのスポンサー契約を解除することを決めました」と明らかにした。
そして、「この件によって、eスポーツコミュニティのみならず、日本国内及び世界中の多くの方々に不快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます」などと謝罪し、「ホンダは、ゲーム分野で数多くのパートナーシップを結んでおり、ゲームコミュニティへのサポートに引き続き尽力して参ります」としている。