【ワシントン=坂本一之】バイデン前米大統領(82)の個人事務所は18日、同氏が前立腺がんと診断され、骨に転移していると発表した。米メディアが相次いで報じた。バイデン氏は民主党候補として昨年11月の大統領選で再選を目指していたが、高齢問題を懸念する同党議員からの圧力で出馬辞退に追い込まれた。
個人事務所はバイデン氏が先週、排尿に関する症状があり検査を受けたところ、16日に骨への転移をともなう前立腺がんと診断されたと発表。がんは進行しているものの、「効果的な管理が可能だ。バイデン氏と家族は医師たちと治療の選択肢について検討している」と説明した。
トランプ大統領(共和党)は18日、バイデン氏ががんと診断されたことを受け、「ジル(夫人)とご家族に、心からのお見舞いを申し上げる。ジョーの早期の回復を祈っている」と自身の交流サイト(SNS)に書き込んだ。
バイデン氏は昨年3月に民主党の大統領候補指名を確実にしていたが、トランプ氏と臨んだ同年6月の討論会で精彩を欠き、高齢不安が再燃。大統領選と同時実施された上下両院選への悪影響などを懸念して選挙からの撤退を求める声が民主党内から噴出し、出馬を辞退した。