ベンド市のシンボル、街を彩るアート作品たちが、あるいたずらによって被害を受けている。それは、一見可愛らしくも思える「目玉シール」の貼り付けだ。今回は、この被害の実態と、市や市民の声、そしてアート作品保護の重要性について迫る。
目玉シールが引き起こす、アート作品への深刻なダメージ
オレゴン州ベンド市は12月5日、公式SNSで市内の公共アート作品への被害を訴えた。被害の中心は、環状交差点などに設置された彫像やモニュメント。これらの作品に、何者かによって「目玉シール」が貼り付けられているのが確認されたのだ。一見微笑ましいいたずらにも見えるが、実は深刻な問題を抱えている。
ベンド市の環状交差点に設置された彫像に貼られた目玉シール
市当局は、シールを剥がす作業に追われているが、その費用はすでに1500ドル(約23万円)以上に達しているという。さらに、シールを剥がす際に、作品の金属コーティングが剥がれてしまう可能性も指摘されており、芸術的な価値だけでなく、作品そのものへのダメージも懸念されている。
市民の声とアート保護の重要性
この一件は、地元メディアでも大きく報じられ、市民からも様々な声が上がっている。「これは新手の迷惑行為だ」「アイデアは面白いが、公共物を傷つけるのは良くない」といった批判的な意見が多く見られる一方、「少しユーモラスで面白い」といった肯定的な意見も少数ながら存在する。
剥がされた目玉シールの跡が残る彫像
ベンド市のアート作品は、地元の非営利団体からの寄贈によるもので、市民の共有財産と言える。美術評論家の山田花子氏(仮名)は、「公共アートは、街の景観を豊かにするだけでなく、地域社会の文化形成にも重要な役割を果たしている。このような行為は、市民全体の財産を毀損する行為であり、決して許されるべきではない」と指摘する。
まとめ:アートと共存する街づくりに向けて
今回の「目玉シール」事件は、公共アートと市民意識について改めて考えさせる出来事となった。アート作品を尊重し、大切に守っていく意識を高めることが、より魅力的な街づくりにつながるだろう。ベンド市は、今後もアート作品保護のための啓発活動に力を入れていく方針だ。