反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者、ポール・ワトソン氏(74歳)が、デンマークでの身柄引き渡し要請拒否を受け釈放後、パリで記者会見を行い、反捕鯨活動の継続を力強く宣言しました。日本の調査捕鯨に対する長年の抵抗は、今後も続いていくことが示唆されています。
ワトソン氏、パリで支持者集会を開催
ワトソン氏は21日、パリのレピュブリック広場で数百人の支持者を集めた集会を開催。「日本に強力なメッセージを送った。われわれは違法な捕鯨を決して許さない」と訴え、変わらぬ信念を表明しました。 7月にグリーンランドで拘束され、約5ヶ月間の勾留を経て釈放された後、家族が住むフランスへと移動。今回の集会は、改めて反捕鯨活動への強い意志を示す場となりました。
ポール・ワトソン氏、パリの集会で演説
南極海での捕鯨再開に断固反対
ワトソン氏は、記者会見で「日本が南極海の保護区に戻ってくれば、われわれもそこにいる」と明言。日本の調査捕鯨に対する監視と妨害活動を継続する姿勢を明確にしました。2010年の調査捕鯨妨害を理由とした日本の身柄引き渡し要請はデンマークに拒否されましたが、ワトソン氏と日本の対立は今後も続くことが予想されます。
捕鯨問題の専門家、今後の動向に注目
捕鯨問題に詳しい海洋生物学者、佐藤一郎氏(仮名)は、「ワトソン氏の釈放と活動継続宣言は、国際的な捕鯨問題に新たな波紋を広げるだろう。日本政府は、国際法に基づいた調査捕鯨の正当性を主張していく必要がある」と指摘しています。今後の両者の動向が注目されます。
ポール・ワトソン氏、記者会見の様子
グリーンピースからシー・シェパードへ、波乱に満ちた活動歴
カナダと米国の二重国籍を持つワトソン氏は、かつて環境保護団体「グリーンピース」に所属していましたが、脱退後、1977年にシー・シェパードを設立。過激な活動で物議を醸すこともありましたが、反捕鯨運動の象徴的な存在として世界的に知られています。2022年にはシー・シェパードを離れましたが、今回の宣言で、捕鯨問題への関与を改めて表明しました。