【サンパウロ時事】中米パナマのムリノ大統領は22日に出した声明で、「パナマ運河と隣接する地域はパナマのものだ」と表明し、トランプ次期米大統領による運河の「返還」要求に反発した。
パナマ運河は太平洋と大西洋を結ぶ交通の要衝。トランプ氏は21日、SNSへの投稿で、運河の通航料で米国が不当な扱いを受けていると主張した。運河に対する中国の影響力が高まっていると示唆し、「道徳的、法的な原則が守られないのなら、パナマ運河を全面返還することを求めるだろう」と警告した。
ムリノ氏は通航料に関し、市況や国際競争などを加味して「公に設定されている」と反論。その上で「運河は中国や欧州、米国、それ以外のいかなる勢力にも支配されていない」とし、「不可分の遺産としてパナマ人の手にあり続ける」と強調した。
これに対し、トランプ氏は自身のSNSで「どうなるかそのうち分かる」と投稿。さらに「米国運河へようこそ」とのメッセージと共に、運河のような狭い水域に米国の国旗を立てた写真を掲載した。