元伊藤忠商事会長、そして民間人初の中国大使を務めた丹羽宇一郎氏。85歳を迎えた今もなお精力的に活動を続ける氏の著書『老いた今だから』から、お金にまつわる興味深いエピソードと人生哲学を紐解き、読者の皆様に豊かな人生を送るヒントをお届けします。
若き日の豪快伝説:酒と本に消えた給料
若き日の丹羽宇一郎氏
丹羽氏は、若い頃からお金に無頓着だったそうです。大学時代はもらったお金はすぐに酒代に消え、アルバイト代が入れば友達を誘って豪快に飲み歩く日々。東京で就職してからも、給料は酒と本でたちまち底をついたといいます。当時の飲み屋はツケ払いができたため、給料の半分は飲み代と本代、残りの半分は寮費に消え、手元には何も残らなかったとのこと。
当時の様子を、丹羽氏は著書の中でユーモラスに語っています。洋服には全く興味がなく、夏冬問わず同じスーツとネクタイで過ごしていたため、同僚の女性社員からネクタイをプレゼントされたという心温まるエピソードも。
質素な生活を送っていた頃の丹羽氏
驚きの寮生活:靴下は共有、ステテコは裏返し
さらに驚くべきは、当時の寮生活。なんと、靴下は同部屋の社員と共有していたというのです。洗濯した靴下は片方行方不明になることもしばしばで、まともに揃っているのはわずか五足。ステテコに至っては、においを嗅いでは裏返して履いていたというから驚きです。
生活のすべてを母親に任せきりだった丹羽氏にとって、寮生活はまさに未知の領域。当時の交際相手だった奥様も、そのありさまには大変驚かれたそうです。
結婚当時の貯金はゼロ!お金への執着心がない生き方
こんな丹羽氏ですから、結婚するときも貯金はゼロ。結婚式費用を誰が支払ったのか、ご本人にもわからないというから驚きです。結婚式の後、お母様は奥様に「この子は本当にお金に無頓着だから、お金の管理だけはしっかりお願いします」と頼んだそうです。
財布が空になると、結婚前は母親に、結婚後は奥様に「お金ちょうだい」とお願いする生活。お金を貯めることよりも、大切なことに時間とお金を使う生き方。丹羽氏の人生哲学は、現代社会を生きる私たちに、お金とは何か、幸せとは何かを改めて問いかけているようです。
老後の成功の秘訣とは?
丹羽氏は、お金よりも大切なものがあると信じています。それは一体何でしょうか? 詳しくは、氏の著書『老いた今だから』で語られています。老後を豊かに過ごすためのヒントを探している方は、ぜひ手に取ってみてください。