神奈川県小田原市は10日、市役所の電気設備の工事で、担当者の指示の誤りによるミスが生じ、それを承知のうえで不具合を抱えたまま工事を完了していたと発表した。
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市によると、災害時などに使う非常用の電気系統の工事で、建設部の担当職員が工事業者に図面と違う指示をしたため、誤った電線が敷設された。最悪の場合、災害時に非常用電源を確保しても、市役所の照明の4分の1が消えたままになるという。
工事は昨年始まり、担当者は今年2月に誤りに気づいた。報告を受けた上司は年度内に工事を終わらせるため、是正工事は後回しにし、図面通りに工事が終わったと完成確認検査で虚偽の報告をした。2人とも、さらに上位の管理職に工事ミスを報告しておらず、同部ではこうした一連の行為が「誤った対応だった」としている。
工事完了後、是正工事をしようと上司が関係部署と調整をはじめ、他部署からの指摘で6月に入って発覚した。同部では、再発防止のため職員教育を徹底するとしている。是正工事は約20万円かかり、他の予算を流用して今月中に行う方針だ。(清水敬久)
朝日新聞社