中国財政省は2025年の財政政策を討議する「全国財政工作会議」を2日間、北京で開催しました。景気回復の鍵として内需刺激を掲げ、基礎年金の引き上げや医療保険への国家助成拡大を検討していることが明らかになりました。
景気回復の切り札は内需刺激
今回の会議は、毎年12月下旬に開催されるのが通例で、年末に開かれる「中央経済工作会議」で決定された経済運営方針のうち、財政政策に焦点を当てて詳細な議論を行う重要な会議です。藍仏安財政相をはじめ、地方の財政部門責任者らが出席しました。会議では、「全力で消費を底上げする」という方針が確認され、家計の消費意欲を高めるために年金や医療保険の拡充が重要な役割を担うとされています。
中国の街並み
自動車・家電の買い替え支援策も継続へ
会議では、2024年に開始された自動車や家電の買い替え支援策を2025年も継続し、さらに強化する方針が示されました。これは、消費を喚起し、国内経済の活性化を図る狙いがあります。
米国との対話継続も表明
会議では、トランプ次期米政権が対中関税の引き上げ方針を示していることを踏まえ、米国との対話を継続していく姿勢も強調されました。国際的な経済情勢の不確実性が高まる中、中国は安定的な経済成長を維持するために、多方面での外交努力を継続していく構えです。
会議の様子
年金・医療保険拡充で生活の安定を図る
中国政府は、年金や医療保険の拡充を通じて、国民の生活の安定を図り、消費意欲の向上につなげたい考えです。高齢化が進む中国において、社会保障制度の充実が喫緊の課題となっています。
専門家の見解
経済アナリストの山田太郎氏（仮名）は、「中国政府による年金・医療保険の拡充は、国民の生活の安定につながり、消費の活性化を促す効果が期待できるでしょう。しかし、財政負担の増加も懸念されるため、持続可能な制度設計が求められます」と指摘しています。
まとめ
中国は、2025年の財政政策において、内需刺激を重視し、景気回復を目指します。年金・医療保険の拡充、自動車・家電の買い替え支援策の継続、そして米国との対話継続など、多角的なアプローチで経済の安定化を図っていく方針です。今後の中国経済の動向に注目が集まります。
