献体への敬意欠如か?美容外科医の解剖研修写真投稿に作家・医師の知念実希人氏が痛烈批判

SNSで物議を醸している、東京美容外科の女性外科医による解剖研修での写真投稿問題。院長による謝罪と処遇説明に対し、小説家であり医師でもある知念実希人氏が自身のX(旧Twitter)で痛烈な批判を展開しました。何が問題なのか、医療倫理とは何か、本稿で詳しく解説します。

美容外科医の不適切投稿と院長の釈明

グアムで行われた解剖研修に参加した東京美容外科の女性外科医が、献体されたご遺体の一部にモザイク処理を施さずにSNSに投稿。「新鮮なご遺体解剖しに行きます!」といった軽率な表現も加え、「献体への敬意を欠いている」と大きな批判を浴びました。その後、投稿は削除され謝罪文が掲載されましたが、騒動は収束していません。

alt="東京美容外科の統括院長、麻生泰氏の謝罪文"alt="東京美容外科の統括院長、麻生泰氏の謝罪文"

東京美容外科の統括院長である麻生泰氏は、女性外科医の解雇はしないと明言。「動機は善意であり、他意はない」と擁護する姿勢を見せています。さらに、「死者への尊厳も大切ですが、今生きている人の命や安全も大切」と述べ、研修の意義を強調しました。

知念実希人氏、院長の謝罪に真っ向反論

この院長の釈明に対し、医師の資格を持つ小説家、知念実希人氏はXで真っ向から反論。「未だに何が問題だったのかを全く理解できていない」と院長の姿勢を厳しく批判しました。

献体への尊厳と医療倫理

知念氏は、「死者への尊厳と生きている人の命や安全はトレードオフの関係ではない」と指摘。患者への還元を理由に献体への敬意を損なって良いはずがないと主張しました。医学の発展は、献体された方々への感謝と尊厳の上に成り立っていることを忘れてはならない、と訴えています。「倫理観に基づいた医療」の重要性を改めて問いかける形となりました。

alt="献体公開に対する謝罪をする院長"alt="献体公開に対する謝罪をする院長"

解剖研修における適切な写真撮影

院長が「海外のセミナーでは記念写真も撮る」と主張した点についても、知念氏は反論。海外セミナーで公開されている写真は、解剖室ではあってもご遺体が写っていないものや、公式に撮影された真剣な研修風景であると指摘。「ご遺体を個人のSNSに上げ、インスタ映えの道具にしたり、ピースサインで集合写真を撮る行為とは根本的に異なる」と批判しました。

医療の進歩を阻害する真の原因

さらに院長が「日本の医療の進歩を妨げている」と述べたことには、「医療倫理に反する非常識な行動をとったのは貴方たちだ。なぜ非難されているか分からないなら、医療をする資格がない」と痛烈に批判。医療倫理の欠如こそが医療の進歩を阻害する真の原因であると断言しました。医療現場における倫理観の確立と徹底こそが、真の医療の発展につながるのではないでしょうか。

倫理観に基づいた医療の重要性

今回の騒動は、医療現場における倫理観の重要性を改めて浮き彫りにしました。医療従事者は、常に患者と献体された方々への敬意を払い、倫理的な行動を心がける必要があると言えるでしょう。知念氏の指摘は、私たちに医療倫理について深く考えさせる契機となるはずです。