フランス新内閣発足!バイル首相、中道左派重鎮を起用し政権基盤強化へ

フランスで新たな内閣が発足しました。マクロン大統領の信任厚いバイル氏が首相に就任し、早速組閣に着手。注目すべきは、社会党系の元首相2名を含む中道左派の重鎮を起用した点です。少数与党ゆえの政局不安を払拭し、国民からの信頼回復を目指すバイル新内閣。その陣容と今後の展望について詳しく解説します。

バイル新首相、政権安定化へ布石

2024年12月23日、フランス大統領府はバイル首相率いる新内閣の陣容を発表しました。12月13日にバルニエ前首相の後任として任命されたバイル氏は、わずか10日間で組閣を完了。マクロン大統領の与党は下院で過半数割れという厳しい状況の中、4人目の首相として政権運営の重責を担うことになりました。

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バイル氏は新内閣について「全国民と和解し、新たな信頼を得るための経験豊富な集団だ」とX(旧ツイッター)で発信。国民の不安払拭に意欲を示しています。政治アナリストのジャン・ピエール・デュポン氏(仮名)は、「今回の組閣は、政権基盤の強化を最優先したバランス重視の人選と言えるでしょう」と分析しています。

中道左派重鎮の起用で政局打開なるか

新内閣の目玉は、オランド前社会党政権で首相を務めたバルス氏の海外領土相、そして今年1月までマクロン政権下で首相を務めていたボルヌ氏の国民教育相への就任です。少数内閣ゆえに政局運営が難航する中、中道左派への支持基盤拡大を狙った戦略的な人選と言えるでしょう。

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さらに、初入閣となるロンバール経済財務相も社会党に近い人物。預金供託公庫(CDC)のトップを務めた経験を活かし、経済政策の舵取りを担います。 これらの布陣により、2025年度予算案の可決に向けた議会との連携強化を図ることが期待されています。

主要閣僚は留任、安定感も重視

一方、バロ外相、ルコルニュ国防相といった主要閣僚は留任となりました。外交・安全保障政策における継続性を重視し、政権運営の安定感を確保する狙いがあると見られます。

【写真】パリで閣僚との会談に臨むフランスのバイル首相

バイル新内閣は、中道左派を取り込むことで政権基盤の強化を図り、難局打開を目指します。今後の政局運営、そしてフランス経済の行方に注目が集まります。