【ソウル共同】「非常戒厳」を宣言した尹錫悦前大統領の罷免に伴う韓国大統領選が3日、投開票される。内乱首謀罪に問われた尹氏ら「内乱勢力への審判」を掲げた革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表(60)が優勢との見方が強い。保守系与党「国民の力」の金文洙前雇用労働相(73)は土壇場での保守結集を図った。各候補は選挙戦最終日の2日、各地で支持を訴えた。
選挙戦では、昨年12月に戒厳令を発動した尹政権への評価が最大の争点となった。新政権は内政の混乱収拾やトランプ米政権の高関税政策への対応などが求められるが、候補者間の非難合戦が目立ち、政策論議は深まっていない。3日深夜から4日未明にかけて大勢が判明する見通し。
李在明氏は「民主主義を回復する」と主張。2日のソウルでの遊説では「金氏は尹氏と断絶できずにいる」と強調した。
金氏は複数の刑事裁判を抱える李在明氏を「犯罪者」などと批判し、自身の清廉さをアピール。南部釜山で2日に行った遊説では「不正腐敗やうそのない韓国をつくる」と訴えた。