年末歌舞伎町、光と影:観光客でにぎわう表通りと、売春問題の闇

年末の華やかなイルミネーションで彩られた歌舞伎町。外国人観光客が記念写真に興じる姿は、まさにインバウンド復活の象徴と言えるでしょう。しかし、その賑わいの裏側には、深刻な社会問題が潜んでいます。

観光名所となった「トー横」

近年、歌舞伎町の中でも特に「トー横」と呼ばれるエリアが、外国人観光客の間で人気の撮影スポットとなっています。コンセプトカフェの華やかな呼び込みの女性たちが並ぶ様子は、確かに異国情緒あふれる光景かもしれません。しかし、そのすぐ近くで、売春を目的とした女性たちが路上に立っているという現実は、見過ごされてはならない影の部分です。

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売春問題の温床「大久保公園周辺」

歌舞伎町の外れにある大久保公園周辺は、いわゆる「立ちんぼ」の温床として知られています。寒空の下、短いスカート姿で客待ちをする若い女性たちの姿は、痛ましい現実を突きつけます。彼女たちは、好奇の視線にさらされながら、時に危険な客と交渉せざるを得ない状況に置かれているのです。「歌舞伎町商店街振興組合」の広報担当者(仮名)山田氏によると、「近年、外国人観光客の増加に伴い、彼女たちの中には外国語を話す女性も増えている」とのこと。グローバル化の波は、このような負の側面も持ち合わせていると言えるでしょう。

警察の取り締まり強化と、その影響

10月から始まった警視庁の集中取り締まりにより、多くの逮捕者が出ているにもかかわらず、売春問題は根絶されていません。私服警官の目を逃れるため、女性たちはホテル街など、より人目のつかない場所で客待ちをするようになっているという現状があります。犯罪学の専門家、佐藤教授(仮名)は、「取り締まりを強化するだけでは根本的な解決にはならず、貧困や虐待など、彼女たちを売春に追いやる社会構造的な問題への対策が必要だ」と指摘しています。

年末の光と影

年末の歌舞伎町は、観光客の笑顔と華やかなイルミネーションで溢れています。しかし、その裏側で、厳しい現実と向き合っている人々がいることを忘れてはなりません。売春問題をはじめとする社会問題の解決に向けて、私たち一人ひとりができることを考えていく必要があるのではないでしょうか。