J1昇格1年目ながら旋風を巻き起こし、シーズン終盤まで優勝争いを繰り広げたFC町田ゼルビア。その躍進の裏で、SNS上での誹謗中傷という深刻な問題に直面していました。今回は、クラブの毅然とした対応と、私たちが学ぶべきことについて掘り下げていきます。
躍進の裏で起きたSNS誹謗中傷問題
2018年にサイバーエージェントが経営に参画し、2023年シーズンから黒田剛監督を迎えたFC町田ゼルビア。黒田監督就任1年目でのJ2優勝、そしてJ1昇格1年目での快進撃は、多くのサッカーファンを熱狂させました。しかし、その一方で、一部の心無い人々によるSNS上での誹謗中傷がエスカレートしていったのです。
alt="J1昇格1年目、FC町田ゼルビアの黒田剛監督"
「犯罪者みたいな顔」「存在が粗大ごみ」「知能がない」といった言葉は、ほんの一例に過ぎません。監督や選手、スタッフ、そしてクラブ全体への誹謗中傷は、度を越えたものへと発展していきました。中には殺害予告に等しい投稿もあったと、ゼルビアのCOOである上田武蔵氏は語っています。
毅然とした対応策と藤田社長の決断
こうした事態を深刻に受け止めたFC町田ゼルビアは、スポーツ選手の権利保護に実績のある加藤博太郎弁護士に相談。オーナーであるサイバーエージェントの藤田晋社長も、この問題に迅速かつ厳正に対処するよう指示を出しました。
alt="FC町田ゼルビアの上田武蔵COO"
誹謗中傷の投稿者特定には情報開示請求が必要となり、1件あたり数十万円の費用がかかります。それでも藤田社長は「スピード感をもって厳正に対応してもらいたい」と、費用を惜しまず迅速な対応を指示。結果として、複数の悪質な投稿者に対して刑事告訴が行われることになりました。
私たちが学ぶべきこと:インターネットとの向き合い方
FC町田ゼルビアのケースは、インターネット社会における誹謗中傷問題の深刻さを改めて浮き彫りにしました。匿名性の高いインターネット上では、軽率な発言が取り返しのつかない結果を招く可能性があります。
著名人だけでなく、私たち一人ひとりが、インターネットとの適切な向き合い方を改めて考える必要があるのではないでしょうか。 敬意と思いやりを持ってコミュニケーションを取り、健全なインターネット文化を築いていくことが、私たち全員の責任と言えるでしょう。