歌舞伎界の若手女方として知られる中村児太郎氏に、凄絶な家庭内暴力(DV)報道が持ち上がり、大きな波紋を広げています。6月18日、「デイリー新潮」がこの件を報じ、その深刻な内容が明らかになりました。記事によると、中村氏は2021年に結婚した女性に対し、凄惨な暴力を振るっていたとされます。
中村さんの所属事務所は、「心から反省しております」とコメントを発表し、暴行の事実を認めています。被害を受けた女性は顔面骨折などの重傷を負ったと報じられており、事態の深刻さを示しています。この報道は、歌舞伎界、特に名門「成駒屋」にとって大きな衝撃となっています。
中村児太郎氏の経歴と背景
中村児太郎氏は、人間国宝である七代目中村芝翫氏を祖父に持ち、父は九代目中村福助氏という、歌舞伎界屈指の名門「成駒屋」のホープです。幼い頃から才能を発揮し、将来の歌舞伎界を担う存在として期待されてきました。
梨園の御曹司として舞台に立つ一方、2018年にはNHK大河ドラマ『西郷(せご)どん』でドラマに初出演するなど、俳優としても活動の幅を広げていました。また、学生時代にはラグビーに打ち込み、そのガッチリとした体格を活かして、2022年からはサンケイスポーツで月刊連載を持つなど、多才な一面を見せていました。
妻へのDVが報じられた歌舞伎俳優・中村児太郎氏の写真
過去の発言と今回の報道の関連性
中村氏は、2022年5月28日にフリーアナウンサーの島田薫氏のインタビューに応じており、その中で歌舞伎界の独特な男女のあり方について言及していました。彼は尊敬する坂東玉三郎氏や市川海老蔵氏への感謝を述べつつ、女方としての演技や歌舞伎演目における女性描写について語りました。
特に演目『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』に触れ、「お三輪というすごい役がありました。(中略)死んだら黒い消し幕で消えるのです。理解できないでしょう。立役なら見せ場がありますが、基本的に女性が虐げられているんです」と述べ、「歌舞伎界は男尊女卑ですよ」と語っていました。これはあくまで古典演目の背景を踏まえた上での発言と思われますが、今回、現実世界でのDV、つまり女性への暴力という形で報じられてしまったことで、これらの過去の発言が改めて注目されることとなりました。また、このインタビューでは、自身の性格について「細かい」「母には、あなたは結婚できないと言われています」とも語っていたとされます。
歌舞伎界、世間の反応、今後の影響
今回のDV報道に対し、SNS(特にX)では中村氏の行為に対する非難が殺到しています。「歌舞伎さえちゃんとできていればあとはお咎めなし、な時代じゃないんだよなぁもう」「中村児太郎DVの記事の女性の写真がヤバすぎ」といった厳しい声が多く見られます。
中村氏は、父・九代目中村福助氏の病気により、十代目中村福助の襲名が保留されている状態ですが、今回の報道によって、その襲名にも暗雲が垂れこめる可能性が指摘されています。被害を受けた妻は、未だ心の傷が癒えていないと訴えているとのことです。
今回のDV報道は、中村児太郎氏個人の問題にとどまらず、名門「成駒屋」、ひいては歌舞伎界全体に対する世間の厳しい目に繋がる可能性があります。中村氏には、自身の起こした行為の重大さを深く認識し、真摯に向き合っていくことが強く求められています。
[記事元] デイリー新潮 (Yahoo!ニュース経由)