石破茂首相にとって、赤沢亮正経済再生担当相はなくてはならない存在です。首相就任からわずか3ヶ月、赤沢氏への厚い信頼は揺るぎないものとなっています。しかし、その一方で、自民党内からは冷ややかな視線も向けられている現状。今回は、石破首相と赤沢経済再生担当相の関係性、そして党内における赤沢氏の立ち位置について詳しく見ていきましょう。
石破首相と赤沢氏の蜜月関係
石破首相と赤沢氏は共に鳥取県選出の衆議院議員であり、長年の盟友関係にあります。赤沢氏はかつて石破氏が率いた旧石破派(水月会)に所属し、先の自民党総裁選では選対事務総長として石破氏の勝利に貢献しました。その功績が認められ、初入閣を果たし、現閣僚で最多となる8つの担当を兼任しています。
国会内での二人の様子からも、その親密さが伺えます。本会議終了後、SPや秘書官らに取り囲まれる首相に赤沢氏が割って入り、肩に手をかけながら耳元で何事か囁く姿は、二人の強い信頼関係を象徴するかのようです。
石破首相と赤沢経済再生担当相
官房副長官並みの面会回数と「赤沢部屋」
産経新聞の「石破日誌」によると、首相就任から3ヶ月間の赤沢氏の首相面会回数は31回。これは官邸を拠点とする両官房副長官に次ぐ回数であり、林芳正官房長官や加藤勝信財務相よりも多い数字です。
さらに、赤沢氏は閣僚でありながら、官邸内に専用の部屋を与えられています。これはかつて安倍政権下で今井尚哉首相秘書官が使用していた部屋で、現在では「赤沢部屋」と呼ばれています。赤沢氏はここで連日、各省庁の官僚を集めて政策協議を重ねているようです。
党内から湧き上がる疑問の声
しかし、赤沢氏への厚い信頼と、閣僚でありながら首相側近として振る舞う姿に、党内からは疑問の声も上がっています。赤沢氏は党内での人脈が広くなく、要職経験も乏しいことから、首相側近としての適任者ではないという意見も出ています。
党内中堅からは「最初から官房副長官になればよかった」という冷ややかな声も聞かれます。
世論調査
政権運営の課題と赤沢氏への依存
少数与党で政権運営に苦しむ石破首相にとって、赤沢氏はまさに精神安定剤のような存在かもしれません。しかし、政権発足から3ヶ月が経過しても目立った成果が出ていない現状は、党内の不満をさらに増幅させています。
政治評論家の山田一郎氏は、「石破首相は赤沢氏への依存度が高すぎる。幅広い人材を活用しなければ、党内の不満はさらに高まり、政権運営はますます困難になるだろう」と指摘しています。
今後の政権運営のカギ
石破首相と赤沢氏の蜜月関係は、今後の政権運営に大きな影響を与えることは間違いありません。首相が党内の声に耳を傾け、人材登用を幅広く行うことができるか、赤沢氏への依存から脱却し、多様な意見を取り入れることができるかが、政権の安定と政策の成功を左右するカギとなるでしょう。